Project/Area Number |
18820044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese literature
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
外山 敦子 Aichi Shukutoku University, 文学部, 講師 (50434626)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥780,000 (Direct Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2007: ¥350,000 (Direct Cost: ¥350,000)
Fiscal Year 2006: ¥430,000 (Direct Cost: ¥430,000)
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Keywords | 国文学 / 平安朝物語文学 / 『源氏物語』 / 老い |
Research Abstract |
1.平安朝物語文学の「老い」に関する研究成果の発表 本研究では、王朝物語がどのような表現方法によって「老い」を語るのかを概観し、王朝物語における「老い」の様相とその機能を探った。 「老ゆ」は様々な語と結びついて複合動詞化する。「老いおとろふ」「老いかがまる」「老いひがむ」など、肉体的・精神的な変化(下降・衰退)を表す語と結びつくことで、マイナスのイメージを内包している。これらの用例は、王朝物語にあらわれる「老い」の特徴をよく表しており興味深い。加齢や高齢を表すことばは、「老い」の他にも「年積る」「年ねぶ」「さだすぐ」など多々あるが、それらの語に比べると、語構成の上からも「老い」という言葉が、王朝物語のなかで格段の負性と厳しい疎外性を有している。本研究では、なかでも「老いしらふ」という言葉に注目し、王朝物語は、「老い」が物語内社会において無効であることを、逆に方法として有効に活かしていることを指摘した。『源氏物語』だけでなく、王朝物語全体に範囲を拡大して、「老い」と「物語」との抜きがたい関係性を再確認したものである(糸井通浩・神尾暢子編『王朝物語のしぐさとことば』所収)。 2.平安朝物語文学の「老い」に関する基礎的データベースの充実 昨年度に引き続き、平安朝物語文学の「老い」に関する研究文献の書誌情報を収集した。今後も、引き続き情報の充実を図ることで、当該分野の研究の基礎資料として継続的に活用されるようにする。
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