Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
本年度は、研究代表者が海外に派遣されることになったため、派遣準備期間等において研究時間の制約があった。その中で以下のように課題に取り組んだ。第1に、有権者の政策選好、また、政策選好と政党好感度との関係に関して、プレゼンテーションを工夫する作業を行なった。第2に、得票を最大化しようとする政党の位置取りのインセンティブを有権者の行動から説明しようとする際に、これまで本研究ではブラックボックスとしてしまっていた、有権者の投票確率の変化や政党の得票確率の変化などを、理解しやすく表現するよう、計算とプレゼンテーションの工夫に取り組み、年度末現在その途上である。以上の2点は、本研究の意義がより広く理解されるために重要な作業である。第3に、選挙制度が政治過程にもたらす効果についての研究を開始した。幸いにも、他の研究者と共同で研究を進められることとなった。ここでの最終的な研究目的は、個々の有権者レベルの行動からモデル化してシミュレーションを行ない、再現される複雑な過程の中から政治学的含意を得ることである。しかし、まずはよりシンプルなモデルにもとついて分析することとした。すなわち、単純な選挙競争を想定し、選挙区レベルでの得票分布の仮定を立ててシミュレーションを行ない、選挙制度を介した選挙の帰結を観察することとした。その結果、現在のところ、先行研究が経験的に示していた得票率と議席率に関する法則について、これが妥当である場合になぜそうなるのか、そのメカニズムの一環を明らかにしている。
All 2007
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東京大学社会科学研究所パネル調査プロジェクト ディスカッションペーパーシリーズ No. 1