Project/Area Number |
18830020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
International relations
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
玄 大松 The University of Tokyo, 東洋文化研究所, 准教授 (70431830)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,980,000 (Direct Cost: ¥2,980,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,490,000 (Direct Cost: ¥1,490,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,490,000 (Direct Cost: ¥1,490,000)
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Keywords | 領土問題 / 竹島 / 独島 / ナショナリズム / 言説分析 / マス・メディア / 内容分析 / 相互イメージ / 政治学 / 国際政治 |
Research Abstract |
本研究は、戦後の「独島・竹島問題」報道を比較し、その報道の語り方が、日韓両国民の領土認識の形成過程と相互イメージにどのような影響を及ぼすかを実証的に分析することを目的とした。 そのために日韓の1945年から2005年までの、見出しに独島・竹島が出る新聞記事と戦後行われた両国のイメージに関する世論調査データを収集するとともに、韓国の政策決定者、外交官、ジャーナリストなどとインタビューを行った。記事の分析においては、形態素分析、キーワード分析などを施し、また、記事全体を単位とし、記事の類型、論調、性向、価値強調の方向性などを分析した。 分析の結果、韓国における「独島/竹島問題」の「語り方」が、韓国人の領土意識、対日感情、対日イメージに、かなり影響を及ぼしていることと「独島・竹島問題」に対する両国民の温度差の最大原因であることなどが明らかになった。たとえば、韓国の新聞は、「独島問題」が韓国の自尊心・名誉に関わっていると絶えず主張していて、記事の内容としては、自らの領有権主張と日本側の領有権主張に対する反論・反駁、抗議と領有権に関するキャンペーンとが、記事全体の6割に近い。また、韓国の新聞の自らの領有権主張は、日本側の主張に対する反論・反駁より6対4の比率で多かった。日本の新聞は、その比率が2対8である。また韓国の新聞記事の半分以上に感情的表現が使われていたが、日本の新聞のそれは1割強くらいであった。 これまで「独島/竹島問題」に関しては、島が日韓どちらの領土であるか、その帰属問題に関するのが殆どで、その主張のあり方を問うものは皆無に近かった。戦後の「独島/竹島問題」は、固着した領有権よりは、むしろ領有権の主張から生じる両国の亀裂がもっと深刻な問題であることを考えれば、「独島/竹島問題」をめぐる言説の冷静、かつ客観的な分析の重要性は極めて高いと思う。
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