Budget Amount *help |
¥2,450,000 (Direct Cost: ¥2,450,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,180,000 (Direct Cost: ¥1,180,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,270,000 (Direct Cost: ¥1,270,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,児童虐待の防止活動がもつ志向性を分析することによって,現代的な新しい現象として語られがちな虐待問題に対して,伝統的な暴力や放置に注目する新しい視点を提供することである。 そこで本年度は,児童虐待防止を訴える複数の活動主体における「虐待」観について考察した。虐待は「子どもへの人権侵害だ」(子どもの権利擁護の視座),「子どもの心の成長を妨げる」(心理学の視座),「都市化、核家族化によって起こる」(子育て支援の視座)という説明は,すぐれて現代的で都市的な解釈のもとに提起されたものである。虐待防止活動は,現代においてこそ虐待の危機が高まっていると説明する。またそれと連動して,根拠もないままに虐待の増加が叫ばれることもある。だが,暴力、放置は増加していなくてもよいし,都市化による一種の文明病である必要もない。虐待を考えるうえで重要なのは,冷静に暴力、放置の行為を見極め,暴力、放置の原因や問題点を追究することである。
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