0〜2歳児における情動伝染反応と自他意識の発達に関する実験的検討
Project/Area Number |
18830047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educational psychology
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
川田 学 Kagawa University, 教育学部, 准教授 (80403765)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,050,000 (Direct Cost: ¥2,050,000)
Fiscal Year 2007: ¥940,000 (Direct Cost: ¥940,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,110,000 (Direct Cost: ¥1,110,000)
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Keywords | 擬似酸味反応 / 乳児 / 他者理解 / 共感性 / 三項関係 / 実験的観察法 |
Research Abstract |
共感性の一形態であると考えられる「擬似酸味反応」について、今年度は月齢差を中心に検討した。「擬似酸味反応」とは、例えば、他者が梅干を食べようとしているところを見るだけで、(他者が酸っぱそうな顔をしていないのに)自分が酸っぱそうな顔になってしまうといった現象である。本研究には43名の乳児(7ケ月児=22名、11ケ月児=21名)が協力した。材料にレモンを用い、事前にレモンを舐める経験をした乳児(Le群)とそうでない群(N-Le群)に分け、両群に対して実験者が真顔(neutral face)のままレモンを舐めるシーンを提示した。主要な結果として、(1)Le群>N-Le群で多彩な反応が見られること、(2)Le群>N-Le群で顔をしかめたり、口唇の動きが活発になるなどの擬似酸味反応が見られること、(3)Le群の中でも反応には月齢差があり、顔をしかめたり、口唇の動きは7ケ月児の方が多く、手のばしは11ケ月児に多い傾向があること、(4)最初に実験者がレモン舐めシーンを提示してから15分後に再度レモン舐めシーンを提示したところ、実験者のneutral faceを提示されたLe群の乳児の反応と、いかにも酸っぱそうなsour faceを提示されたN-Le群の乳児の反応との間に有意差はなかった、などが示された。低月齢の乳児は他者の情況に対して共振的に反応する傾向が顕著であるのに対して、生後1年目の終わりになると必ずしも共振的に振舞うだけではなくなることを示唆する結果は、生後1年目の三項関係の形成と関連があるかもしれない。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)