Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
平成19年度も、前年に引き続き、データセットの作成等を続けた。また、国立国会図書館において戦後初期の意識調査資料の収集を行った。これにより、多くの時系列データが集積された。このデータをもとに、日本選挙学会・日本政治学会に平成20年度の報告を申請し受諾された。付随して、ウェーブレット分析等の新しい技術的な挑戦も行った。また、成果報告として、動学的因子分析法の政治意識時系列への適用をまず時事通信社の各国への好き嫌い指標へと当てはめるという前年度の研究成果を、アメリカ南部政治学会で報告し、次にこれを愛媛大学総合政策学科紀要へと投稿した。アメリカ南部政治学会では方法論的な手続きは十分であるが、より実質科学的に重要な知見を示すようにというコメントを得てその修正を行っている。また、データの紹介など基礎的・技術的な内容について、先行して愛媛大学総合政策学科紀要へと投稿することとした。このように、対外国意識指標の成果報告は順調に進んでいるが、国内政策意識指標はまだ成果を報告できておらず、成果報告が平成20年度に持ち越しとなってしまったことを反省する。一方、前年度の最終段階において、政治意識変動と政党の対応という視点から、マルチエージェントシミュレーションをもとに各政党の政治意識の変化に対する対応を検討するという作業を試験的に行ってみたが、反応が良かったため、これを2つの論文にわけ出版した。政治意識の分散に対する政党の反応は、選挙制度により影響されるということが理解され、政党システムの反応は選挙制度などの制度に依存し、一様ではないということが理解できた。
All 2008 2007
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)
愛媛大学法文学部論集総合政策学科編 24
Pages: 113-133
120006526822
村田忠彦・鵜飼靖東編『政策グリッドコンピューティングとマルチエージェントシミュレーション』多賀出版
Pages: 119-141
河野勝・西條辰義編『社会科学の実験アプローチ』勁草書房
Pages: 85-114