社会適応におけるポジティブ感情の機能と主観的幸福感に関する予防的介入研究
Project/Area Number |
18830063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Clinical psychology
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
大竹 恵子 Tohoku Gakuin University, 教義学部, 准教授 (70405893)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,840,000 (Direct Cost: ¥1,840,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,020,000 (Direct Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2006: ¥820,000 (Direct Cost: ¥820,000)
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Keywords | ポジティブ感情 / 幸福感 / 社会適応 / 予防 / 介入 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、個人の適応の状態を主観的幸福感を中心に、他のさまざまな要因がどのように関連しているのかを検討した。具体的には、楽観主義という個人特性や感謝、親切などの人間の持つポジティブな特性、自伝的記憶をとりあげ、それらが日常生活の中で、どのように幸福感と関連しているかを検討した。 大学生を対象にした調査研究から、楽観主義という特性によって、主観的幸福感や満足感、リスク認知が影響を受けること、特に、楽観主義の高さと悲観主義の高さによって、ポジティブ、ネガティブな場面でどのようなリスク認知・リスク行動を行うかという関連が異なることが明らかにされた。また、主観的幸福感と、うれしい・楽しいというポジティブ感情の喚起関する実験では、主観的幸福感が高いことが、日常生活のさまざまな場面においても、ポジティブな感情を喚起させることに関連していることが示された。また、ポジティブな感情が喚起された状態では、物事の認識や判断が影響を受けることが明らかにされた。これらの研究結果は、個人が感じるポジティブな感情状態が、自分のことを幸福だと認識するかどうかという点において大きく影響している可能性を示唆しており、今後、主観的幸福感を高めるプロセスを検討していくうえでも重要な知見となったと考えている。また、感情と自伝的記憶をとりあげ、それらが日常生活の中で、どのように幸福感と関連しているかを現在検討中である。ポジティブ感情、ポジティブな出来事の経験によって、個人の主観的幸福感が、時間的な経過を含めてどのような影響を受けるのかという点に焦点をあてて追跡研究を予定している。 今後、これまでの研究成果を発展させ、さらなるデータを収集し、研究を継続させていく予定である。なお、本年度の研究成果は、学術雑誌論文として2本、学会発表として5題を公表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)