ダイナミックアプローチによる企業間競争の実証分析:オンライン証券業界の事例
Project/Area Number |
18830073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Business administration
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
高井 文子 Tokyo University of Science, 経営学部, 講師 (10408693)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,420,000 (Direct Cost: ¥1,420,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥720,000 (Direct Cost: ¥720,000)
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Keywords | 経営学 / 経営戦略論 / 経営組織論 / イノベーション / 証券業界 / インターネット |
Research Abstract |
2年目となる平成19年度では、「模倣が比較的容易な業界において、なぜ企業間に相違が生じ、それが維持されていくのか」というダイナミックなメカニズムを、文献サーベイと、日本のオンライン証券業界の市場黎明期における競争の定量的・定性的分析を通じて、理論的・実証的に検討した。 本研究の理論的・実務的貢献をまとめると、以下の通りである。 まず、理論的な貢献の第一として、「イノベーションが生起して新市場が立ち上がった際の企業間競争は、どのようなフレームワークで分析すべきか」という点について、新規参入企業が比較的容易に競争優位を勝ち得る可能性が高いビジネス分野においては、「既存企業vs.新規企業」という既存の枠組みを超えた研究が重要であるという示唆を提示した。次に、理論的な貢献の第二として、「業界の黎明期における競争のプロセスを規定する要因は、どのようなものか」という点について、企業内外の諸要因が、他企業や顧客との相互作用によって連鎖的に変わりうるという「行為システム」の概念を導入したフレームワークを提示し、現代の様々な業界における競争プロセスを、より包括的に説明した。 また、実務的な貢献としては、日本のオンライン証券業界では、「どのような企業が高いパフォーマンスを実現し、激しい競争のなかで生き残っているのか」ということについて、定量的な検証を行った。具体的には、「新市場に先行して参入することは、パフォーマンスの向上や業界での生存競争に勝つためには有利であるものの、それだけで成功が約束されるわけではない。そのうえで重要なのは、企業に本当に利益をもたらしてくれる『コア顧客』を掴む施策を打つことである。単に口座数の増加を目指す目的で行われた手数料引き下げの激しい競争は、必ずしもパフォーマンスの向上には貢献しなかった」という事実を明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)