Project/Area Number |
18830109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental psychology
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
伊師 華江 Miyagi National College of Technology, 情報デザイン学科, 助教 (10435406)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,580,000 (Direct Cost: ¥2,580,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,250,000 (Direct Cost: ¥1,250,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,330,000 (Direct Cost: ¥1,330,000)
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Keywords | 顔 / 魅力認知 / 不変的特徴と可変的特徴 / 動的変化 / 表象慣性 / 階層的印象構造 / 高次印象 / 不変的特徴 / 中立顔 / 可変的特徴 / 表情顔 |
Research Abstract |
以下に記述する(1)顔の魅力認知構造、及び(2)表象慣性を利用した印象感受特性を明らかにし、顔の感性情報処理について心理学的観点から考察した。 (1)種々の印象をまとめ優位に受け取られる統合的印象として顔の魅力をとらえ(階層的印象構造)、上位の印象である顔の魅力がどのような下位の印象要因によって規定されるかを実験計量心理学的に調べた。顔立ちそのもの等の不変的側面(真顔)と可変的側面(表情顔:笑顔と怒り顔)を区別し、主観的魅力度を目的変数、SD法により得られた各印象因子の因子得点を説明変数として行った重回帰分析の結果、真顔の魅力は「美感」が大きく寄与するのに対し、笑顔では「美感」に加え「柔和」印象の寄与度が高い傾向が示され、魅力度評価に影響力の強い印象要因が異なることがわかった。この結果は、表出形態が異なると魅力の評価基準あるいは認知構造が異なることを示している。 (2)特定の表情顔から真顔へと動的に変化するパターンの認知において、動的変化が主観的な真顔の印象を修正することを前年度示した。本年度は評定実験で得られた多変量心理データから心理的「顔」空間を導出して各顔を位置づけ、その布置により上記の効果の心理的意味を検討した。その結果、表情顔から動的に変化した真顔の印象の知覚的修正は心理印象空間における真顔のポジションの慣性的シフトの反映であることがわかり、心理的・表象的な慣性効果が印象評価に影響を与えることが示唆された。 上述の成果により顔に関する感性情報処理特性の一端が明らかになった。近年、人間らしい優しさや柔らかさが表示可能なヒューマノイド型コミュニケーション端末の開発などの人間の感性に注目した技術への感心が高まっている。本研究が提供した顔の印象を定量的に取り扱う方法論的・理論的な研究枠組みや人間の感性情報処理に関する研究成果はこれらの要請に対する重要な支援の可能性を含んでいる。
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