Budget Amount *help |
¥2,160,000 (Direct Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,080,000 (Direct Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,080,000 (Direct Cost: ¥1,080,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,非線型クライン・ゴルドン方程式系の初期値問題の,小さな初期値に対する時間大域可解性をストリッカーツ型の時空評価を用いて考察することであった. 現時点では,目標としていた,時空間の双曲面に基づいた極座標表示を利用した解の時空評価は得られていないが,変わりに空間の通常の極座標表示を利用した時空評価を示すことが出来た.それは従来知られていた評価のある種の拡張となっており,その時空評価を用いることで,非線型クライン・ゴルドン方程式系の初期値問題の小さな初期値に対する時間大域可解性を,空間次元が2次元の場合に,3次以上の非線型項に対しては示すことが出来た.これは従来ベクトル場の方法等で示されていたものに簡明な証明を与えたことになる. また,この時空評価の応用として,シュレディンガー方程式に対する同種の時空評価が非相対論極限を用いる手法で成り立つことを示すことが出来た. これらの結果は,北海道大学の小澤徹教授との共著の論文として纏められ,現在投稿中である.更に,非線型項の次数が2次の場合は,非線型項がユニット・コンディションと呼ばれる特殊な場合には,方程式をうまく変換することで,非線型項が3次の場合に帰着され,小さな初期値に対する時間大域可解性が成り立つことも示した.一般の非線型項の場合も同様に扱えるかについては,現在研究を進めているとことである.
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