環境調和型触媒を用いた不活性な炭素-炭素多重結合へのヘテロ原子導入反応
Project/Area Number |
18850015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
米山 公啓 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 助教 (80432681)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 鉄 / ビスマス / 環境調和型 / アルコール / カルボン酸 / 複素環 / 鉄塩 / 均一触媒 / 不活性オレフィン / 環状エーテル / 環状ラクトン |
Research Abstract |
炭素-炭素多重結合の触媒的ヒドロヘテロ原子化反応は様々な環状化合物を効率良く合成できる有用な手法である。特に、複素環は様々な生理活性物質に含まれ、その合成価値は非常に高い。しかし、用いられる触媒は高価あるいは毒性の高い貴金属錯体に限られ、実用的な触媒システムの開発が待ち望まれていた。本年度、我々は環境調和型触媒である鉄およびそれと同様な調和性を有する金属種の特異な触媒活性を生かした直接炭素-炭素多重結合への新規ヘテロ原子導入反応を発見し、その有用性を検証した。 1.Fe(OTf)_3触媒存在下、ヒドロキシオレフィンまたはカルボキシルオレフィンをジクロロエタン溶媒中、80℃で処理したところ、テトラヒドロフランやラクトン誘導体がそれぞれ高選択的かつ高収率で生成することを見出した。本触媒は周知な他の遷移金属触媒と比べ、最も高い触媒活性を示した岳でなく、世界で初めて環境調和型触媒で複素環合成を行った例となった。 2.これまで、鉄触媒の驚異的な触媒活性について研究を行ってきた。この特性は鉄触媒に限る物ではなく、HSAB則に従うボーダーライン酸に分類される金属種(Fe, Bi, Cu, Ni等)特有の効果である事が明らかになってきた。この知見を基に、本研究をさらに発展するビスマス種の驚異的な触媒能の発見に繋がった。つまり、鉄触媒ではヘテロ原子はオレフィンにしか効率的に導入されなかったが、ビスマス触1媒ではアルキン等への導入反応も可能である事が明らかになった。ビスマス種も鉄種と同様な人体や環境への高い安全性と調和性を有している金属である。本研究はまだ、研究途中であるが、現在でも多くの研究成果が得られている。その中の一つにアミノエンイン類の分子内環化反応がある。この反応では鉄触媒では適応不可能であったアルキン類を積極的に反応基質に使用することができ、本反応では非常に合成困難である、2環式環状アミンを簡便に合成できることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)