フォトニックバンドギャップ環境による量子ドットの物性の解明
Project/Area Number |
18860038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied optics/Quantum optical engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
冨士田 誠之 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (40432364)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,780,000 (Direct Cost: ¥2,780,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,390,000 (Direct Cost: ¥1,390,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,390,000 (Direct Cost: ¥1,390,000)
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Keywords | フォトニック結晶 / 量子ドット / 光物性 / 電子物性 |
Research Abstract |
本研究は,発光現象の根本的な制御が可能なフォトニック結晶を用いることで,量子ドットの発光状態を制御し,その結果観察される発光現象を通して,量子ドットの遷移・緩和現象を明らかすることを目的としている.量子ドットは理想的には三次元的な電子の閉じこめ状態が形成されるため,個々には独立しており,量子ドット間の電子のやり取りは存在しないと考えられる.しかし,本研究で取り扱う自己形成量子ドットでは,濡れ層と呼ばれる各量子ドット間を空間的に連続的に接続する量子薄膜層が存在し,その濡れ層を介した量子ドット間の電子のやり取りが存在する可能性がある.量子ドット間の電子のやり取りがある場合,例えばある量子ドットの発光減衰寿命が速ければその量子ドットへ優先的に電子が遷移するはずである.ここで,量子ドットへ点欠陥を導入した場合には欠陥部分がナノ共振器として働き,欠陥のない部分と比較して発光減衰寿命が速くなると考えられる.さらにはナノ共振器に組み込まれた個々の量子ドットの発光減衰寿命は量子ドットの位置・エネルギーに応じて変化するはずであり,量子ドット間の電子のやり取りの有無で共振器全体としての発光効率が変化すると予想される.ランダムな分布をもつ量子ドットをナノ共振器に複数導入した状況の発光効率を解析したところ,量子ドット間の電子のやり取りがない場合には発光効率の統計分布は量子ドットの個数が増えるにつれ,約0.2へ集中していった.一方,電子のやり取りがある場合には発光減衰寿命が速い量子ドットへ電子が優先的に遷移する効果で0.8以上の発光効率が期待されることが判明した.環境温度を上昇させることで量子ドット間の電子のやりとりが増大し,結果,発光効率も増大すると予想されるが,130Kにおける発光強度が3Kにおける発光強度を上回るという,上記予想を支持する実験結果が得られた.
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)