Budget Amount *help |
¥2,620,000 (Direct Cost: ¥2,620,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,310,000 (Direct Cost: ¥1,310,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,310,000 (Direct Cost: ¥1,310,000)
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Research Abstract |
平成18年度は,BACクローンやfosmidクローンをプローブとしたFISH解析により,ルソンメダカ,インドメダカ,ハブスメダカの性染色体を細胞遺伝学的に同定することができた.これにより,XX/XY型の性決定システムをもつルソンメダカとインドメダカの性染色体はメダカの常染色体LG12およびLGl0とそれぞれ相同であることが明らかになった.また,両種ともX染色体とY染色体に形態的差異は認められず,これらの性染色体はほとんど分化していないことが判明した.一方,ZZ/ZW型の性決定システムをもつハブスメダカの性染色体は,メダカ常染色体LG5と相同であった.本種では,Z染色体とW染色体間に形態的差異が認められ,W染色体特異的な逆位とヘテロクロマチンの蓄積が観察された.本年度は,さらにタイメダカ,ジャワメダカについてFISH解析を行い,これらの性染色体を同定することができた.XX/XY型の性決定システムをもつタイメダカの性染色体は,メダカの常染色体LG8と相同であった.一方,ZZ/ZW型の性決定システムをもつジャワメダカの性染色体は,メダカ常染色体LG16と相同であり,動原体付近にW染色体特異的なヘテロクロマチンの蓄積が認められた.これらの結果から,メダカ属魚類の性染色体は種ごとに異なり,異形化の程度も種によって異なることが明らかになった.また,本年度はラオスに分布する未記載種(Oryzias sp.)を持ち帰ることができた.分子系統解析を行った結果,本種はメコンメダカと姉妹群を形成したことから,latipesグループに属すると考えられる.今後,本種の核型を他の近縁種と比較することにより,メダカ属の核型進化過程の全体像が明らかになると期待される.
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