可動性遺伝因子による部位特異的染色体切断を利用した組換えの研究
Project/Area Number |
18870024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Genetics/Genome dynamics
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
福田 智行 The Institute of Physical and Chemical Research, 柴田上席研究員研究室, 基礎科学特別研究員 (90415282)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,720,000 (Direct Cost: ¥2,720,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,360,000 (Direct Cost: ¥1,360,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,360,000 (Direct Cost: ¥1,360,000)
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Keywords | 減数分裂 / 組換え / 出芽酵母 / 二重鎖切断 / Spoll / VDE / Spo11 |
Research Abstract |
減数分裂期組換えは、Spollタンパク質が染色体DNAを切断することで開始され、切断が相同染色体を鋳型とした相同組換えで修復されることで完了する。この際の各染色体上には、SpollによるDNA切断が高頻度に生じる箇所(ホットスポット)が集中する領域(ホットドメイン)と、切断がほとんど生じない領域(コールドドメイン)とが特徴的に分布する。こうした減数分裂期組換えの位置を制御する機構の解明を目的として、出芽酵母の染色体にSpollや他のヌクレアーゼをターゲッティングすることで人為的な切断を導入するというアプローチを試みた。その結果、Spollを強制的にコールドドメインに結合させても切断は著しく妨げられることが明らかになった。更に、ホットドメインではSpollが多量体化して切断反応を活性化するのに対し、コールドドメインではたとえ染色体に結合しても単量体のままであることを見いだした。以上から、染色体領域に依存したSpollの活性化あるいは抑制機構の存在が示唆された。次に、ホットスポット近傍に人為的な染色体切断を引き起こし、その効果を解析した。その結果、導入した切断がホットスポットでの切断を抑制することを観察した。この効果は広範囲(30kb以上)に渡って見られ、導入した切断の活性が高いほどより強く作用していた。また、抑制効果は切断の生じた染色体上だけでなく、切断が生じていない相同染色体上のホットスポットにも作用していた。一方、ホットスポットの必要条件を満たした箇所が近傍に複数存在している場合には、切断の活性化をめぐって互いが競合することと、この競合は同一染色体にのみに作用し、相同染色体上へは作用しないこととを明らかにした。かくして、減数分裂期組換えが特定の領域でごく少数だけ起きるように、切断の前後で複数の制御が存在していることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)