胚性幹細胞の未分化維持および分化制御に関わる細胞外因子の探索
Project/Area Number |
18880024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied molecular and cellular biology
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
三浦 巧 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 助教 (60405355)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,450,000 (Direct Cost: ¥1,450,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,450,000 (Direct Cost: ¥1,450,000)
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Keywords | 胚性幹細胞 / 分化 / メチオニン代謝系 / メチル化 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
S-アデノシルメチオニン(SAM)はメチオニンアデノシルトランスフェラーゼ(MAT)の働きによりメチオニンとATPから合成され、メチオニン代謝における必須の中間代謝物である。また、SAMはタンパク質やDNAなど各種生体分子のメチル化反応のメチル基供与体として、細胞増殖、細胞死および細胞分化にも関与していることが報告されている。前年度までの研究において、未分化幹細胞の分化に伴ってMATの発現が減少することを明らかにした。そこで本年度の研究では、未分化幹細胞の細胞分化がメチオニン代謝系によって厳密に制御されていると考え、未分化幹細胞の分化期におけるメチオニン代謝系酵素の役割について検討を行った。まずEC細胞の分化期において、メチオニン代謝系関連酵素であるメチオニン合成酵素(MS)およびS-アデノシルホモシステインヒドロラーゼ(SAHH)の遺伝子発現変化について検討を行った。分化誘導期におけるヒト多能性幹細胞(EC細胞)のMS及びSAHHの遺伝子発現変化を経時的にリアルタイムPCRを用いて解析した結果、両遺伝子とも分化誘導8日目までにおいて発現が低下する傾向にあることが認められた。MSはメチオニン代謝系においてビタミンB12(B12)を補酵素として機能することより、B12の未分化幹細胞分化に及ぼす影響についての検討を行った。その結果、B12添加によりEC細胞におけるMSの活性は上昇することが確認されたが、分化には影響を与えないことが観察された。さらに分化期のEC細胞においてSAHHの発現減少が示されたため,SAMとSAHの量比に関しても解析を実施したところ、その量比には変化は確認されなかったものの、著しくSAMの量が増大していることが観察された。以上のことより、EC細胞は分化に伴ってメチオニン代謝系における活性レベルのバランスを整え、分化誘導を制御していることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)