ウイルスはどのようにして宿主プランクトンをみわけるか?
Project/Area Number |
18880044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
白井 葉子 Fisheries Research Agency, 瀬戸内海区水産研究所・赤潮環境部, 研究支援職員 (90435850)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,820,000 (Direct Cost: ¥2,820,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,410,000 (Direct Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,410,000 (Direct Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | ウイルス / 赤潮 / 吸着 / インテイン / レセプター / ヘテロシグマ / 宿主特異性 / 感染 |
Research Abstract |
本研究課題では、海水中に浮遊するウイルスと宿主プランクトンの相互識別に係る分子機構ならびに宿主特異性等を巡るウイルス株間の多様性を精査し、ウイスルと宿主赤潮藻の生態学的相互関係の解明すに資することを目的とした。 Havゲノム上に存在する多数の繰り返し領域を含むVp260様遺伝子全域のPCRによる増幅は困難であった。そこで繰り返しドメインを抽出し、部分的反復配列のPCR増幅を試みた。反復モチーフ毎の塩基配列のバリエーションを踏まえデジェネレートプライマーを作製し、PCRを実施したところ、1-3反復配列(ラダー状バンド)を増幅・検出することができた。PCRを行う際にホルムアミドを添加し繰り返し分子の高次構造が解消することで、増幅に有効に作用したものと推測された。これらの産物をライゲートしたプラスミドを発現解析に供したが、通常の大腸菌およびレアコドンのtRNAを補充した発現用大腸菌を用いた発現系のいずれにおいても、(沈澱・上清画分のいずれにも)目的タンパク質の発現はみられなかった。今後、昆虫細胞や無細胞系の利用を考える必要があると思われる。 HaVを接種した場合でも見かけ上 顕著な増殖阻害がみられない宿主倍養について、細包内でのウイルス感染が成立しているかどうかを、ノーザンハイブリダイゼーション法により精査した。その結果、弱毒性反応区においてもウイルス感染陽性反応が認められた。今後、宿主表面へのウイルスの非特異的吸着の可能性を完全に排除する実験系を組むことができれば、高感度でのウイルス感染判定を実現することが可能であると考えられた。この結果から、HaV株と宿主ヘテロカプサ株の組み合わせによって、溶藻の程度は大きく異なり、光学顕微鏡観察では感染を検出できない場合があることが明らかとなった。これにより、ウイルス対宿主の生態学的関係を考える上できわめて有用な情報を得ることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)