Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
研究計画に基づき、PAP-1遺伝子の発現レベル変動を培養細胞を用いて各種条件下で検討した。Pim-1と違い、PAP-1には顕著な発現誘導や発現抑制を示す条件がないことから、PAP-1機能の調節には翻訳後調節やそれに伴う結合因子の変化が重要な役割を果たしていると考えた。そこで、ストレプトタグを付加したPAP-1遺伝子の恒常発現株を前立線ガン由来ヒト培養細胞を親株として作成し、PAP-1を含むタンパク複合体をタグを用いて単離することで、3種類のPAP-1結合因子を同定した。これら分子の発現ベクターを作成し、細胞内でのPAP-1との結合を確認したところ、いずれもPAP-1と結合した。これらのうちの1つは網膜色素変性症で遺伝子変異が報告されている分子の結合タンパク質であり、PAP-1も網膜色素変性症の原因遺伝子であることから、その機能的相関に興味がもたれた。一方、昨年度の研究から、我々はU2OS細胞のPAP-1発現抑制株ではPim-1によるレポーター遺伝子のスプライシングパターンへの効果に変化が生じていることを見出している。本年度はさらに誘導型のPAP-1の発現抑制細胞株をヒト胎児腎由来細胞株を用いて作成し、この細胞株が上述のレポーターと同じ遺伝子を発現していることから、そのスプライシングパターンを検討した。しかし、PAP-1単独での発現量の変動はU2OS細胞での結果と同じくスプライシングパターンには影響を与えなかった。また、この細胞株を用いてPim-1のスプライシングへ与える影響へのPAP-1発現抑制の効果も検討したが、大きな変化は見られなかった。この実験には遺伝子導入効率が大きく影響することから、今後は導入方法を工夫するか、別の細胞株を用いて、より効率的にPim-1の効果を検討できる実験系を作成する必要があると考えられた。
All 2008 2007 2006
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)
Neuroscience Letters 431
Pages: 86-89
Nature Structual and Molecular Biology 13
Pages: 482-490
Neuroscience Letters 406
Pages: 165-168