Budget Amount *help |
¥2,760,000 (Direct Cost: ¥2,760,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,380,000 (Direct Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,380,000 (Direct Cost: ¥1,380,000)
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Research Abstract |
本研究は,歯の主成分であるハイドロキシアパタイト(以下HA)微粒子を歯質上に高速で吹きつけ,接着材を介することなく直接HA厚膜を形成することで全く新しい歯質-生体材料間インターフェイスを創成し,新たな歯科治療を提案することである.本研究は大きく3つのグループ((1)PJD装置開発(2)HA開発(3)臨床試験,評価)に分けられる. (現在までに得た研究成果) (1)PJD装置開発:新たにPJD装置を開発することにより,これまで困難であった2-3μm直径のHA粉の連続定量供給が,安定して可能となった.これは臨床試験を,安定して,安全に行うためには重要な成果である. (2)HA粉開発:HA粒子の組成を自在に調節し,また,工業生産を想定しそれらHA粒子を連続的に合成する手法(原理は共沈法を応用したもので,反応器は原料溶液が一点で出会うように構成しているのが独創的)を用いて,HA粉を合成した.その後,不活性ガス高温雰囲気中で焼成することにより,結晶性の高い2-3μm粒径のHA粉の合成に成功し,大量生産の可能性を見いだした. (3)臨床試験,評価:(1),(2)で試作した装置並びに粉体を用いて,歯質上に噴射成膜した.新たに合成したHA粉が,安定して噴射することが可能となり,HA膜の生成も良好で,硬度はHV500程度であることを確認した.さらにSEM並びにTEMによる膜断面の観察を行った結果,均一な断面構造を持つHA粉体が,衝突により一旦数10nmの微粒子に粉砕され,再び再結合して膜形成がされていることが明らかとなった. またそのHA膜は,人工唾液中で放置してその形態変化を観察した結果,膜表面に新たな膜が堆積している状態が観察され,膜厚は実質,増加することが明らかになった.
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