Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
1)ラクタシスチンの全合成研究(L)-フェニルアラニンをエチルエステル化後、ジエチルエトキシメチレンマロネートを用いるアミンの1,4-付加脱離反応によりエナミンジエステルとした。現在、この基質を用いる環化反応の条件検討を行っている。2)キラル環状エーテル類の新規合成法開発とトロロックスの全合成研究光学活性乳酸エチルと多置換フェノールより合成したキラルエーテルの分子内不斉記憶型アルキル化により光学活性環状エーテルを得る合成ルートを計画した。本反応の鍵中間体となる工ノラートは、C-O結合の自由回転が側鎖の立体障害などにより制限を受けるときにのみ光学活性体となる。一般にC-O結合の回転障壁はN-C結合のそれに比べて遙かに低い。そのため、難中間体となるキラルエノラートのラセミ化半減期は非常に短いことが予想される。そこで、深化反応中のC-O軸性不斉エノラートのラセミ化を抑制することを目的として、基質の保護基、エステル部、脱離基及び塩基について詳細に検討した。その結果、脱離基をョウ素としテトラヒドロピラン中塩基としてリチウムジイソプロピルアミド及び添加剤にヘキサメチルホスホノトリアミドを加え-78℃で反応を行うことで望む深化体を収率80%、光学純度58%eeで得た。得られた化合物をメトキシメチル基の脱保護、続くエチルエステルの加水分解に付しトロロックスのへと変換した。本化合物の比旋光度から深化反応は立体反転で進行していることが判明した。不斉収率は未だ満足行くものではないが、本深化反応はC-O軸性不斉エノラートを経由する不斉反応の最初の例である。
All 2007
All Journal Article (1 results)
Organic Letters Vol.9・Iss.6
Pages: 969-971