Project/Area Number |
18890110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森 清 Kobe University, 医学部附属病院, 医員 (70432573)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,420,000 (Direct Cost: ¥2,420,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,090,000 (Direct Cost: ¥1,090,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,330,000 (Direct Cost: ¥1,330,000)
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Keywords | RANKL / Runx2 / PKA / 基本転写調節領域 / クロマチンリモデリング / HDAC3 / ヒストン蛋白アセチル化 |
Research Abstract |
破骨細胞分化を促進するRANKLは骨芽細胞/骨髄間質細胞表面に発現し、単球マクロファージ細胞膜に発現するRANKと結合することで破骨細胞分化シグナルを伝達する。このRANKL発現に関するcyclic AMP-PKA経路に注目しながら、Runx2によるマウスRANKL遺伝子発現調節機構の解析を行ってきた。これまでの検討では、外来性に導入したRANKLプロモータに対し、Runx2は促進的な役割を持つが、培養細胞ゲノム内のRANKL発現に対し、Runx2は負に作用する為、外来性プロモータに対するRunx2の機能とゲノム内RANKL発現に対するRunx2の機能との間に開離が確認された。今年度は、クロマチン免疫沈降法を用いて、Runx2によるRNAKL遺伝子5'上流領域のクロマチンリモデリング機構の解析を行った。その結果、Runx2欠損マウス頭蓋冠由来細胞株C6では、PKAアゴニストであるフォルスコリン投与の有無に関わらず、ヒストンH3/H4蛋白のアセチル化抗体を用いた場合には、RANKL遺伝子5'上流領域はproximal/distalいずれの箇所もPCRの増幅があり、クロマチン構造の弛緩が示唆された。一方、Runx2を有するマウス骨髄間質細胞株ST2では、フォルスコリンを投与した場合のみヒストンH3/H4蛋白のアセチル化があり、定常状態のST2細胞では、RANKL遺伝子5'上流領域のクロマチン構造は凝集していることが示唆された。また、フォルスコリン投与により、ST2細胞でのRunx2mRNA発現と、ST2細胞及びC6細胞でのヒストン脱アセチル化酵素3(HDAC3)のmRNA発現とが低下する現象を認めた。また、海外の報告では、Runx2はHDAC3をリクルートし、ヒストン蛋白のアセチル化を誘導して、クロマチンの凝集をもたらすことが報告されており、Runx2は、クロマチンリモデリングのレベルでは、RANKL遺伝子5'上流領域クロマチン構造の凝集をもたらすことで、RANKL発現を負に制御するが、フォルスコリン投与によるRunx2/HDAC3発現の低下からヒストン蛋白のアセチル化を介してクロマチンの弛緩が起こることが想定された。一方、クロマチンの弛緩により、RANKL遺伝子5'上流領域に種々の転写因子が結合することが可能となるが、Runx2はプロモータ領域の結合配列に結合することでRANKL遺伝子発現に対しては促進的に作用する可能性が示唆された。なお、本研究成果の一端を国内外の学会に於いて発表した。また、クロマチンリモデリングレベルの検討結果の成果については、その一部を著書として著した。
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