Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
平成18年度の移植実験に続き、骨髄幹細胞移植による低活動膀胱ラットの下部尿路機能の評価を行なった。Recipientラットはハロセン麻酔下で不完全閉塞膀胱状態(BOO)とし、GFP-Donorラットからは骨髄細胞を採取して4-5日間培養した。閉塞作製から1ヶ月後、Recipientラットの閉塞を解除して残尿量を測定し、培養したDonorラットの骨髄細胞(1×10^7細胞/0.2ml)を膀胱壁に注入した(移植群)。また、シャム群のラットには培養液のみを注入し、無処理ラットをコントロール群とした。移植から1ヶ月後、ウレタン麻酔下にRecipientラットの等容量性膀胱内圧測定と残尿量の測定、蛍光顕微鏡による組織内GFP陽性細胞の確認、HE染色、抗α-SMA抗体を用いた免疫組織染色を行なった。その結果、(1)BOO作製から1ヶ月後のシャム群及び移植群の残尿量はコントロール群に比べて増加した。(2)移植から1ヵ月後のシャム群及び移植群の残尿量はコントロール群に比べて増加したままであったが、移植群の残尿量はシャム群に比べて減少した。(3)移植から1ヵ月後のシャム群の膀胱収縮圧はコントロール群に比べて低下したが、移植群とコントロール群の膀胱収縮圧に差はなかった。(4)移植から1ヵ月後のシャム群の膀胱収縮間隔はコントロール群に比べて延長したが、移植群とコントロール群の膀胱収縮間隔に差はなかった。(5)移植から1ヵ月後の移植群の膀胱筋層と粘膜下層にGFP陽性細胞層を認め、それらの一部は抗α-SMA抗体陽性であった。以上のことから、低活動膀胱へ移植した骨髄細胞が排尿筋としての機能を発揮したことにより、閉塞膀胱ラットの膀胱機能が改善したことが示唆された。
All 2007
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)
Biomed Res 28(5)
Pages: 275-280
130004903742