Project/Area Number |
18890186
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂口 昌徳 慶應大, 医学部, 助手 (60407088)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,680,000 (Direct Cost: ¥2,680,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,340,000 (Direct Cost: ¥1,340,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,340,000 (Direct Cost: ¥1,340,000)
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Keywords | 神経 / 幹細胞 / Gelectin-1 / 糖鎖 / Integrin |
Research Abstract |
我々は、本年度、Galectin-1が成体の神経幹細胞の増殖を制御することを明らかにした(Sakaguchi et al.,PNAS,2006)。また、本知見を利用して実際に脳梗塞モデル動物においてGalectin-1を治療方法として利用できる事を証明した(論文投稿中)。しかしながら、その作用メカニズムに関しては不明な点が残った。そこで、Galectin-1の結合する分子を明らかにするために、神経幹細胞およびその周囲組織でGalectin-1と結合する分子を探索した。その過程で、Galectin-1がbeta1IntegrinおよびATPIa3という分子に結合する可能性が示唆された。すなわち、Galectin-1リコンビナントタンパク質をカラムに固定化し、神経幹細胞とその周囲組織の破砕物をカラムに反応させることで、Galectni-1と結合する分子を分離・濃縮した。結果的に、beta1IntegrinおよびATP1a3という分子に結合する可能性が示唆された。次に、それらの分子の発現パターンについて詳細な解析を行った。beta1Ingetginは神経幹細胞および神経前駆細胞の一部に、Atp1a3は脳室上衣細胞に発現していた(投稿準備中)。本研究は、これまで不明であった神経幹細胞周囲組織(ニッチ)において神経幹細胞の増殖を制御する分子の機能解明に貢献するという点で重要と考えられる。また、成体の神経幹細胞は、側脳室周囲と海馬の2つの場所に存在しているが、今回我々は新たに、海馬の神経幹細胞においてもGalectin-1の機能的重要性を示唆するデータを得た。海馬は記憶・学習において重要な臓器である。今後、本研究を推進することで、成体海馬の神経新生の分子メカニズムについて、新たな一面を明らかにできる可能性がある。
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