ニコチンとLPSが破骨細胞前駆細胞の機能発現に及ぼす影響
Project/Area Number |
18890203
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
田中 秀樹 Nihon University, 歯学部, 専修研究員 (90434076)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥2,760,000 (Direct Cost: ¥2,760,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,380,000 (Direct Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,380,000 (Direct Cost: ¥1,380,000)
|
Keywords | 破骨細胞 / ニコチン / LPS / 喫煙 / リボ多糖 / 炭酸脱水酵素II型 / カテプシンK / マトリックス金属プロテアーゼ-9 / 歯周病 |
Research Abstract |
破骨細胞前駆細胞としてマウス由来株化単球/マクロファージRAW264.7細胞を用いた。破骨細胞の形成は、酒石酸耐性酸ホスファターゼ染色キットで細胞を染色して調べた。RAW264.7細胞のニコチン受容体(α3およびα7type)、RANKL受容体(RANK)、マクロファージコロニー刺激因子受容体(c-fms)、酸産生を担う炭酸脱水酵素II型、骨基質タンパク分解を担うマトリックス金属プロテアーゼ(MMP)-9およびカテプシンKの遺伝子およびタンパク発現は、それぞれreal-time PCR法およびELISA法/Wester blot法で調べた。ニコチン刺激後の細胞内シグナル伝達因子(ERK)のリン酸化は、Western blot法で調べた。 破骨細胞前駆細胞のニコチン受容体では、α7typeの受容体は検出されたが、α3typeは検出されなかった。α7type受容体発現には、ニコチン刺激の影響はほとんど認められなかったが、ERKのリン酸化はニコチン刺激によって顕著に増加した。また、ニコチン刺激によって増加したERKのリン酸化は、その阻害剤(PD98059)の添加によってコントロールレベルまで低下した。これらの結果から、ニコチンはRAW264.7細胞のα7typeのニコチン受容体に結合後、ERKを介してそのシグナルが伝達されることが示唆された。RAW264.7細胞のRANKおよびc-fmsの発現には、ニコチン刺激の影響はほとんど認められなかった。また、ニコチン刺激によって、RAW264,7細胞の炭酸脱水酵素II型の発現は増加したが、MMP-9およびカテプシンKの発現は低下した。これらの結果は、ニコチンが破骨細胞前駆細胞の機能発現とくに酸産生に深く関与していることを示しており、ニコチンは炭酸脱水酵素II型の発現増加を介して間接的に骨吸収を促進することが示唆された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)