Project/Area Number |
18H00021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1130:History, archaeology, museology, and related fields
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Research Institution | 小郡市埋蔵文化財調査センター |
Principal Investigator |
山崎 頼人 小郡市埋蔵文化財調査センター, 公務員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥380,000 (Direct Cost: ¥380,000)
Fiscal Year 2018: ¥380,000 (Direct Cost: ¥380,000)
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Keywords | 弥生時代地域社会 / 環濠集落 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、小郡市が進めている小・中学生を対象とした地域の歴史学習を充実させるため、新たな学習教材開発を行うことを目的として、発掘調査データに基づく弥生環濠集落の構造分析、復元画製作を行った。 まず、福岡県三国丘陵地域の弥生時代の植生・集落景観の復元を行うため、これまで発掘調査された各遺跡の花粉分析等の自然科学的分析データを網羅的に点検し整理した。当地域でも環濠集落は弥生時代を通じて断続的に存在し、古墳時代には首長層居宅へと質的な変化が見られるため、弥生時代から古墳時代前期にわたる集落の変遷と地域社会の展開・成熟について考古学的に検討した。その成果の一部は学会で発表した。 次に、それらの成果をもとに弥生時代前期、中期、後期の代表的な集落遺跡の復元画(前期 : 大保横枕遺跡、中期 : 一ノロ遺跡、後期 : 三国の鼻遺跡)の作成を進めた。弥生時代社会の発展や生業、環境の変化について学ぶことのできる教材の開発に努めた。復元画の作成にあたっては各地域の弥生時代環濠集落遺跡整備事例も参考とした。 研究を進めていくなかで、環濠集落は弥生時代の拠点的な集落であり、他地域と様々な交流が行われていることがわかった。当時の社会を考えるうえでこの点は重要であり、環濠集落の構造理解に「交流」という視点を追加した。福岡県三国丘陵地域では弥生時代前期から日韓交流が行われていたことを示す渡来系文物が多く出土しており、復元画製作の遺跡についても「交流」をキーワードにできた。地域の遺跡を用いて子供たちがそれぞれの視点で学び、多方面から弥生時代の社会に「気づき」が生まれるように工夫した作画した。 復元画の製作には小・中学生からの意見徴収を行い、受け手側の視点も参考に、こちらのねらいが伝わるような仕組みを構築した。授業における復元画の活用は次年度以降に実施する。
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