Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
研究目的 : 肺移植術後は、真菌感染症のリスクがありその致死率が高いため、予防的に抗真菌薬イトラコナゾール(ITCZ)が投与される。また、肺移植後は免疫抑制療法を生涯にわたって続けるため、ITCZによる有害反応の発現を如何に抑え、その服用を継続することが極めて重要となる。ITCZは、その血中濃度管理の有用性が認められつつあり、真菌感染予防における有効血中濃度はITCZと代謝物であるOH-ITCZを合わせて750~1000ng/mLと報告されている。一方で、ITCZ投与患者では、胃腸障害や肝障害の頻度が比較的高いとされ、投与の中止や減量を余儀なくされる症例が報告されている。しかしながら、ITCZの有害反応と薬物血中濃度の関連については未だ明らかにされていない。そこで本研究では、ITCZ血中濃度や投与量に着目し、効果や有害事象の予測指標としての有用性評価を行うことを目的とした。研究方法 : 京都大学医学部附属病院呼吸器外科にてITCZが使用される患者を対象として、ITCZが投与後のアスペルギルス感染や有害事象の有無を調べ、ITCZとの関連を解析した。研究結果 : ITCZが投与された肺移植患者においてアスペルギルス感染が約10%の割合で認められた。ITCZ予防投与下でのアスペルギルス感染には、年齢、間質性肺炎の既往、CMV感染の既往及び再移植歴が関連することを明らかにした。一方、ITCZの投与量や血中濃度とアスペルギルス感染には関連が認めらなかった。
All 2019 2018
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Eur J Clin Pharmacol
Volume: 75 Issue: 4 Pages: 561-568
10.1007/s00228-018-2592-4