Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
研究目的 : ベンゾジアゼピン系抗てんかん薬であるクロバザムは部分発作だけでなく全般発作にも使用可能で、幅広い有効性を持つ。しかし、増量などで眠気等の副作用が出現する為、臨床現場で適切に使用されている症例は少ない。クロバザムは代謝酵素CYP3A4によって活性代謝物に代謝され、さらに活性代謝物は別の代謝酵素CYP2C19によって不活化される。我々はこれまで、クロバザムの薬物動態に着目した研究を継続してきた。その成果として、機能欠損型のCYP2C19遺伝子型を有する患者(poor metabolizer, PM)では、血中の活性代謝物の血中濃度が著明に上昇しやすいため、クロバザムの投与量を通常の半分以下にとどめて眠気の副作用を抑えつつ、良好な発作抑制効果が得られる、クロバザム低用量療法が可能であることを見出した。そこでPM以外の患者に対しても、副作用が少なく、高い治療効果が期待される投与法の確立が必要と考え検討を行なった。研究方法 : クロバザム投与中の成人難治性てんかん患者を対象とした。臨床効果としてクロバザム開始後の発作抑制率を、副作用として眠気をEpworth Sleepiness Scaleを用いて評価し、クロバザムおよび活性代謝物の血中濃度との関連を解析した。更に、CYP2C19遺伝子多型から患者をExtensive metabolizer(EM)、Intermediate metabolizer(IM)及びPMに分類し、CYP2C19阻害薬の併用有無の場合の臨床効果および副作用を評価した。研究結果 : 計画通りに予定症例数を対象とした解析が行われ、クロバザムおよび活性代謝物の体内動態に及ぼす遺伝子多型および併用薬の影響を明らかにすることができた。
All 2018
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)
Ther Drug Monit
Volume: 40 Issue: 6 Pages: 675-681
10.1097/ftd.0000000000000551
120006559313