学習におけるノートの重要性の体感・訓練を目的とした視聴覚能力評価教材の開発
Project/Area Number |
18H00545
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
4110:Information science, computer engineering, human informaticsand, applied informatics related fields
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
比良 祥子 鹿児島大学, 理工学研究科, 技術職員
|
Project Period (FY) |
2018
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
|
Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
|
Keywords | Note-taking / 論理的思考 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、若年層の思考能力の低下が問題となっている。具体的には、日本において国立情報学研究所(MI)の新井らが、一般の中学生が、本来は簡単に理解できるはずの穴埋め問題すら理解できないことを大規模な調査によって明らかにした。つぎに、米国においても、昨年11月にStanford大学のチームがネットにある偽情報に学生が難なく騙される事実を大規模な調査によって明らかにした。この結果から、一般の子供たちが単なる共起表現によって物事を判断しており、因果律を用いた論理的な考えが出来ていないという重要な事実が示唆される。これに対して、本研究の指導者である大塚教授らは、(1)ITの発達により情報がいつでも身近に手に入るようになった結果、若者が自分の手で情報を記録し、まとめる機会が激減したこと、(2)自分の手でノートを取り、それを振り返ってまとめる機会が減った結果、物事の階層的理解が疎かになったこと、が思考能力の低下の主たる原因ではないかとの仮説を立て、現在、論理的思考能力発達のためのノートの重要性を提言し教育指導法の改善に努めている。この過程で、ノートを取る習慣のない学生はノートを取らなくても自分は正しい聴覚情報の記憶が出来ていると誤信する傾向があることが分かった。そこで、本研究ではノートを取る習慣の無い学生に対して「受容した聴覚情報に対して自分が間違った記憶や判断を行ってしまっている実態」への気付きを与えるための教材を作成した。情報の受容様態(視覚と聴覚の組み合わせ)と速記録(ノートの記入)の有無により理解力に差があることを実感させ、思考能力発達のための訓練に結びつけることを目的とした。PC上に理解の難易度の異なるテキストデータと画像表示機能、音声読み上げ機能を組み合わせた視聴覚能力評価用ソフトウェアを開発し、プロトタイプを完成したのち、簡単な予備試験で使い勝手を検証した。今後は実用性を確かめるため評価実験を行う予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)