日本語母語話者による英語の主語・動詞・時制に関わる文法規則の習得と使用
Project/Area Number |
18H00696
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
若林 茂則 中央大学, 文学部, 教授 (80291962)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂苅 友洋 跡見学園女子大学, 文学部, 講師 (40817061)
大滝 宏一 中京大学, 国際学部, 准教授 (50616042)
秋本 隆之 工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 助教 (70824845)
Matthews John 中央大学, 文学部, 教授 (80436906)
山崎 妙 駒澤大学, 総合教育研究部, 准教授 (90350397)
澁谷 真由美 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (00817067)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥16,120,000 (Direct Cost: ¥12,400,000、Indirect Cost: ¥3,720,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2018: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
|
Keywords | 素性 / 生成文法に基づく第二言語習得研究 / 形態・統語 / 言語の習得と使用のモデル化 / 読み時間 / 形式素性 / 形態統語 / 時制節 / 機能範疇T / T / 言語習得と使用のモデル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、一つの視点(機能範疇T)から、第二言語学習者の心的文法を記述することによって、形態と統語、素性と語彙と形態統語操作、インターフェースと心的処理の関係を明らかにし、モデル化による包括的説明を提案する。特に分散形態論の枠組みで、心的辞書構築、語彙項目・素性配分、形態統語操作、言語モジュール外の心的処理を記述するモデルを提案する。英語の機能範疇Tとその素性の習得には、複数の形態統語現象が関わっており、第二言語学習者は、これらの規則違反に対する敏感度、違反文容認度、文産出の点で、母語話者とは異なる可能性がある。コーパス並びに心理言語学実験による実証的データに基づき理論的研究を通して、素性再配置、列挙、インターフェース、解釈不可能性などの仮説の妥当性を検証し、母語、インプットの影響、学習可能性について、知識・処理・記憶に基づく原理的説明を試みる。2020年度は、それまで進めてきた文献研究に加えて、前年度に行ったi)時制節における明示的主語の義務的使用、ii)助動詞・動詞屈折による時制の表示、iii)助動詞・動詞屈折による主語の人称・数の表示、iv)否定節および疑問節における助動詞の使用、v)動詞、目的語、否定辞・頻度副詞の位置関係の「規則」に関して、心理言語学実験によるデータの収集・分析の結果について考察を深め、特に、動詞屈折による主語の人称・数の表示に見られる非対称性について、ボストン大学言語発達学会(BUCLD)および日本第二言語習得学会(J-SLA)にて発表を行った。また、被験者をタイ語母語話者に拡大するためのデータ収集に向けて、中京大学にて合宿を実施し、実験機器の操作確認等を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により、2020年2月から3月にかけて実施する予定であったデータ収集が実施できなかったため。当初計画では、2019年度中には、心理言語学的実験のうち、すべてのパイロット実験を終え、さらに、英語母語話者ならびに日本語を母語とする英語学習者からのデータ収集を全て終える予定であったが、予定通りにはその計画が実施できなかったため、2020年度に、不足分の実験を実施して、分析を行った。その結果、日本語母語話者と中国語母語話者の間に、違いがあることが判明した。この結果を受けて、新たなモデルを考案したが、そのモデルの信憑性を確かめるためには、別の母語を持つ学習者からのデータ収集が必要となり、タイ語母語話者からもデータを収集するべく準備を進めているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度予算で2022年度にタイ語母語話者からのデータを収集し、日本母語話者、中国語母語話者、タイ語母語話者からのデータを比較しつつ、当初の計画通り、第二言語習得モデルを提案する予定である。具体的には、形態と統語、素性と語彙と形態統語操作、インターフェースと心的処理の関係を明らかにし、モデル化による包括的説明を提案する。特に分散形態論の枠組みで、心的辞書構築、語彙項目・素性配分、形態統語操作、言語モジュール外の心的処理を記述するモデルを提案する予定である。本研究では、主語DPと動詞Vの一致を表す形態素(3単現の-s)にかかわって機能範疇TにアセンブルされるΦ素性の「数」と「人称」に、母語の影響がみられることが明らかになったことや、オンライン実験での語彙項目へのアクセスと取り出しおよび屈折が第二言語処理に影響を与えていることが明らかになってきていることから、それらの発見を取り込んだ形で、従来のモデルよりも記述・説明の高いモデルを提示する。この結果は、論文発表するには量が多いことから、モノグラフとして発表する方向で進めている。
|
Report
(3 results)
Research Products
(8 results)