Project/Area Number |
18H01125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松崎 克彦 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80222298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 仁之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10175953)
須川 敏幸 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (30235858)
佐官 謙一 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 特任教授 (70110856)
小森 洋平 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (70264794)
柳下 剛広 山口大学, 大学院創成科学研究科, 講師 (60781333)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥13,780,000 (Direct Cost: ¥10,600,000、Indirect Cost: ¥3,180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2018: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 複素解析 / 調和解析 / 双曲幾何 / 複素解析学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヴェイユ・ピーターソン計量を普遍タイヒミュラー空間に導入する研究は Takhtajan-Teo によりなされ,ヒルベルト多様体の構造および曲率に関する研究がなされた.その各連結成分がヴェイユ・ピーターソンタイヒミュラー空間である.複素解析的なタイヒミュラー空間論の枠組みでの研究は Shen が推し進めている.ヴェイユ・ピーターソン曲線は,このタイヒミュラー空間に対応する擬円周である.最近,Bishop はこの曲線に関する包括的な研究を行い,複素解析,平面幾何,曲面論,3次元双曲幾何など様々な観点からの特徴付けを与えている.また,Wang は SLE 理論の研究のなかで,曲線のレブナーエネルギーの有限性がヴェイユ・ピーターソン曲線であるための同値条件であることを証明した.本研究課題では,ヴェイユ・ピーターソン擬等角写像を実軸へ拡張した擬対称写像が属する関数空間の特徴付けのために,熱核を畳み込みの核とする擬等角拡張を用いた議論を展開した.また,ヴェイユ・ピーターソン曲線の正則な座標付けを同時一意化という方法を用いて行ない,パラメーターに関する解析的依存性に関する理論を簡明に展開することに成功した.
また,BMO タイヒミュラー空間と弦弧曲線についても類似の研究を行った.複素平面の双リプシッツ自己同相写像による直線の像を弦弧曲線という.弦弧曲線を像にもつような直線の埋め込みの全体は BMO タイヒミュラー空間の直積で座標付けすることができる.本研究課題では,弦弧曲線の空間から実軸上の BMO 関数からなる複素バナッハ空間の領域への対応が双正則同相になるという基本定理を証明した.さらに,この2つの同値な複素構造を利用して,関連する空間,とくに VMO タイヒミュラー空間について,写像の解析的な依存性に関して明確な説明を与えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題である調和解析的タイヒミュラー空間の代表的な研究対象であるヴェイユ・ピーターソンタイヒミュラー空間と BMO タイヒミュラー空間について,これまでの先行研究を見通しよく再構成し,新たな理論が展開できる方法を導入することができた.これにより各タイヒミュラー空間に付随する曲線に関する研究を今後推進することができる.一方で,微分幾何学的な手法による擬等角拡張の理論についてはあまり進んでいない.双曲計量に関する双リプシッツ微分同相写像を得るような拡張に注目していたが,双曲面積の保存性など,別の有用な側面に関しても考慮する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
普遍タイヒミュラー空間の部分空間に関する研究は,対応する曲線族を同時一意化の方法で座標付けする理論の枠組みが出来上がり,新しい結果が出されている.今後はこの研究方針をしばらく続けて,この分野の標準的な理論を完成させるまで徹底的に推し進める.また,この弦弧曲線の空間についての以下の2つの未解決問題についても,手が届く範囲にあるので考察を進める:(a) 空間は連結であるか (b) 弦弧曲線の弧長パラメーターからリーマン写像パラメーターへの対応は連続か.
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