Project/Area Number |
18H05230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section B
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畑中 吉治 大阪大学, 核物理研究センター, 特任教授 (50144530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷畑 勇夫 大阪大学, 核物理研究センター, 特任教授 (10089873)
三島 賢二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別准教授 (20392136)
川崎 真介 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (20712235)
槇田 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30199658)
渡邉 裕 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (50353363)
岡村 崇弘 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (90415042)
PIERRE EDGARD 大阪大学, 核物理研究センター, 特任助教(常勤) (30748893)
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Project Period (FY) |
2018-06-11 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥197,860,000 (Direct Cost: ¥152,200,000、Indirect Cost: ¥45,660,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,570,000 (Direct Cost: ¥8,900,000、Indirect Cost: ¥2,670,000)
Fiscal Year 2021: ¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥39,130,000 (Direct Cost: ¥30,100,000、Indirect Cost: ¥9,030,000)
Fiscal Year 2019: ¥26,910,000 (Direct Cost: ¥20,700,000、Indirect Cost: ¥6,210,000)
Fiscal Year 2018: ¥94,250,000 (Direct Cost: ¥72,500,000、Indirect Cost: ¥21,750,000)
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Keywords | 原子核(実験) / 素粒子(実験) / 超冷中性子 / 電気双極子モーメント / 原子核(実験) / 素粒子(実験) / 時間反転対称性 / 基本対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の中性子電気双極子モーメント(nEDM)探索の実験感度は測定に用いる超冷中性子(UCN)の統計精度で制限されている。我々はカナダTRIUMF研究所に高強度のUCN源を建設することで、現状の感度を越えるnEDM探索実験を行うことを目標にしている。我々のUCN源では陽子ビームをタングステン標的に照射することによって生じる中性子を最終的に超流動ヘリウムで冷却することによりUCNを生成する。効率的にUCNを生成するためには超流動ヘリウムの温度を1.0 K程度に維持する必要がある。前年度までにこのためのヘリウム3冷凍機を製作し、日本国内で冷却試験を行った。設計通りの冷凍能力が確認されたので、令和3年にTRIUMFへの移送を行った。長距離輸送における損傷を避けるために冷凍機内部に養生するなどの必要な措置を行った後に出荷し、無事TRIUMFへ届けることができた。TRIUMFでは再組立てを行い、真空試験、電気配線、バルブ駆動など輸送後の健全性を確認している。ヘリウム3冷凍機で冷却された液体ヘリウム3の蒸発による冷却能力を超流動ヘリウムに伝えるための熱交換器の開発も進めている。前年度までに行われた冷却試験の結果から、縦型のフィン構造を用いた熱交換器を用いることの優位性が確かめられ、令和3年にはその詳細設計を完了した。 nEDMの測定は偏極させたUCNが電磁場中で行うスピン歳差運動の周波数を求めることによって行われるが、UCNのスピン状態を計測するためのUCN用スピン解析器の開発に着手した。非常に低エネルギーのUCNでは磁化した鉄薄膜内に生じる数Tの磁束密度がスピンフィルターとして動作する。先行実験ではアルミ箔上にスパッタリングされた鉄薄膜を外部磁場によって磁化させることでこの磁気ポテンシャルを作っていた。我々はシリコン基板上に鉄薄膜を形成した。J-PARC MLFでの冷中性子反射率試験測定による評価によってこの膜は先行研究に比べ低い外部磁場で動作することが確認された。 UCN源が建設されTRIUMFではカナダの共同研究者らによってUCN生成容器の作製および性能試験や、nEDM測定における主要な系統誤差である磁場の一様性・安定性を高めるための磁気シールドルームの詳細設計が行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本国内ではヘリウム3冷凍機の輸送や熱交換器の詳細設計などを進めているが、TRIUMFにおいてCOVID-19の流行に伴う、サプライチェーンおよび、国際ロジスティクスの混乱、原材料費の高騰などからヘリウム3冷凍機の運転に必要なインフラの整備が遅れている。TRIUMFで建設される磁気シールドルームについても同様に計画が遅れている。このような中で、スピン解析器の開発は元々はカナダの共同研究者が行うはずであったが、比較的影響の少なかった日本において開発を進めることを決断し、計画の遅れを最小限に抑えるように進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
TRIUMFに移送したヘリウム3冷凍機をUCNビームラインにインストールし、コミッショニングを行う。日本国内では利用できなかったヘリウム3を用いてヘリウム3冷凍機の性能を明らかにする。1.0 Kの極低温では超流動ヘリウムの熱伝達係数が著しく低下することが理論的に予期されているが、実際に測定されたケースはない。本研究の系を用いて熱負荷中の超流動ヘリウムの温度分布を測定することにより、この極低温における超流動ヘリウムの熱伝達係数を測定する。TRIUMFで開発されている液体重水素中性子モデレーターなどと組み合わせてUCN生成を行う。 UCN生成が当初の予定より遅れる見込みであるが、J-PARC MLFに設置されているパルスUCN源を用いることで、UCNガイド、UCN保持容器、UCN用偏極解析器の開発などを進める。 nEDMを測定領域の磁場一様性・安定性を確保するための磁気シールドルームを設置し、その外部にアクティブ磁気シールドコイルを取り付ける。カナダで開発される一様安定磁場生成コイル、高電圧電極らを組み合わせてnEDM測定装置をくみ上げる。
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Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress has been made in research.
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