Project/Area Number |
18H05846
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
0202:Condensed matter physics, plasma science, nuclear engineering, earth resources engineering, energy engineering, and related fields
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 尚孝 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (20819669)
|
Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
|
Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | テラヘルツ分光 / 鉄系超伝導 / 光誘起相転移 / 超伝導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(1)テラヘルツ磁気光学分光によるFeSe薄膜のキャリアの性質の決定、(2)中赤外光ポンプーテラヘルツプローブによるFeSeのキャリアダイナミクスの研究を行った。 本研究の目的は、中赤外光を用いてバンド間遷移やフォノンを選択的に励起することでFeSeの相制御を実現することであり、そのためにキャリアの基本的な性質を理解する必要がある。磁気光学分光はキャリアのパラメーターを独立に決めることができる手法であり、FeSeのような電子・正孔両方のキャリアが存在する物質の特性を決めるために有用である。試料垂直方向に磁場を印加したFeSe薄膜によるテラヘルツ波の偏光回転および楕円率の変化を測定することで、テラヘルツ周波数領域(光子エネルギーにしてmeV)の縦伝導度、ホール伝導度が求まる。得られた伝導度スペクトルは電子とホールの2種類のキャリアを仮定したドルーデモデルでよく再現でき、それぞれの有効質量・キャリア密度・散乱時間を独立に決定することができた。温度依存性を調べると、ネマティック転移に伴うバンド構造の変化を反映して、キャリア密度に特徴的な変化が現れることが明らかになった。 超伝導相においてFeSe薄膜は、超伝導ギャップと超流動密度に対応する特徴的なテラヘルツ光学伝導度を示す。これを超伝導状態のプローブとし中赤外光励起による過渡光学伝導度を測定する、中赤外光ポンプーテラヘルツプローブ分光によって超伝導およびネマティック秩序の増強・抑制のダイナミクスを調べた。超伝導転移温度以下の試料に、バンド間遷移に対応する光子エネルギー0.5 eVの中赤外光を照射すると、瞬間的に超流動密度が増加する超伝導増強の兆候が観測された。この振る舞いは励起光の波長依存性が小さいことから、中赤外光によるキャリア注入ではなくフォノン励起などの低エネルギーの励起が関係していると考えられる。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|