Project/Area Number |
18J00259
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological physics/Chemical physics/Soft matter physics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 弘明 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 赤血球 / 細胞力学 / 粘弾性 / ゆらぎ / マイクロ流体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主として赤血球のオンチップ形状ゆらぎ解析の実験および、並行して次年度のための予備実験を実施した。 従来の形状ゆらぎ解析は基板上に静置した赤血球について行うが、本研究ではオンチップ細胞マニピュレーション(Ito, 2017等)を用いてマイクロ流路を流れる赤血球を一時静止させて行う。このために、光学系と制御プログラムの最適化を行った。これにより一時静止状態の形状ゆらぎを解析した後に、同一の赤血球に狭窄変形を課して観察できるようになった。形状ゆらぎを連続体モデルで、狭窄変形を一般化粘弾性要素モデルで解析したところ、ゆらぎ解析で得られる赤血球膜の表面張力が一般化粘弾性要素の弾性係数の一つと正の相関を示し、また粘弾性緩和を担当する粘性係数が内部溶液(細胞質)の粘性と正の相関を示した。赤血球の粘性は細胞膜と細胞質に由来して2つの寄与があることが知られており、短時間変形では細胞膜粘性が支配的であると言われている。本研究の結果、長時間大変形の場合に支配的な粘性は細胞質粘性と相関をもつことが示唆されており、興味深い。 また、赤血球のスペクトリン細胞骨格の可視化に向け、蛍光染色プロトコルの確立と予備的な変形実験を行った。ここでは、長い狭窄部を持つ薄さ2umのマイクロ流路に一定圧力で押し込むことで赤血球の長時間変形を実現し観察を行った。 さらに、線維芽細胞(NIH3T3)についてもオンチップマニピュレーションを用いた長時間変形実験を行った。赤血球と同様に長時間変形後の粘弾性形状緩和が観察され、一般化粘弾性モデルによる定量化を行った。赤血球と比較して線維芽細胞は粘性係数が1桁ほど大きいこと、また、赤血球と同様の負荷時間に対する非線形応答性が確認された。細胞の長時間変形応答はタンパク質等の詳細に依らない、普遍的な性質であることが示唆される。 以上の通り、当初予定に加え数多くの研究の芽が得られた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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