Project/Area Number |
18J00527
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology (2019) Ibaraki University (2018) |
Principal Investigator |
水高 将吾 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 複雑ネットワーク / 相転移 / フラクタル / 自己組織化臨界現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、前年度に提案した自己組織化臨界ダイナミクスによるネットワーク形成の単純モデル(以下、自己組織化臨界モデル)のモデルパラメータと自己組織化臨界ダイナミクスを特徴づける指数の関数関係を明らかにする目的のもと、一般化された自己組織化臨界モデルの提案を行った。具体的には、自己組織化臨界モデルを2つの方法で一般化し、それぞれのモデルについて以下の結果を得た。 一般化モデル1:互いに連結したノード集合(クラスター)のサイズのべき乗に比例した確率でクラスター内のノードが新規エッジを獲得する。クラスターサイズに単純比例する場合、これまでに提案している自己組織化臨界モデルに一致する。新規エッジ獲得確率をコントロールするパラメータに依存して普遍クラスが変化することを明らかにした。これにより、自己組織化臨界ダイナミクスから発現するフラクタルネットワークに構造多様性があることが示された。現在、大規模数値シミュレーションを用いて、モデルパラメータと普遍クラスの関数関係を調べ、与えられたパラメータにおける定常状態でのネットワークの統計的性質を網羅的に調べている段階にある。 一般化モデル2:新規エッジ獲得確率を既存ノードの次数+aに比例する確率にする。この一般化においては、パラメータaが大きい極限で元のモデルと一致する。既存次数に依存した確率でエッジを獲得する本モデルは、様々な現実ネットワークでみられるスケールフリー性を示すことが期待される。本モデルの数値シミュレーションから、スケールフリー性とフラクタル性が共存するパラメータ領域があることが確認された。正確な統計的性質を抽出するために、より大規模な数値シミュレーションが必要な段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、初年度に提案した自己組織化臨界モデルの解析と一般化モデルの提案とその数値シミュレーションを行う予定であった。当初計画では一般化モデルをひとつ提案しその数値シミュレーションを行う予定であったが、さらに発展させ、もうひとつモデルを提案することができた。またそのそれぞれで数値シミュレーションは順調に進んでおり、当初期待していた結果を得ることがおおむね出来ているため、数値シミュレーションに関しては順調に進んでいるといえる。一方で、解析計算については自己組織化臨界モデルの時間発展方程式は得ているが、その解析性については現在検討中であり進行中の課題となっている。これらを総合しておおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
一般化自己組織化臨界モデル1については種々の統計量を集める段階にあり、数値シミュレーションを継続しておこなうことで統一的な理解を得る。一般化自己組織化臨界モデル2については、さらに大規模な数値シミュレーションを用する。そのためにより高効率にシミュレーションできるようなアルゴリズム開発が求められる。今後はアルゴリズム開発に取り組み、統計的性質が十分に得られるだけの大規模シミュレーションを目指す。また、時間発展方程式の解析性については、課題が残っている。数値シミュレーション結果から解のプロファイルは分かっているため、近似手法などを用いることで漸近形の導出に取り組む。
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