強相関遍歴磁性体における光による高速磁性制御の理論
Project/Area Number |
18J10246
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 淳 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2) (40845848)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 強相関電子系 / 遍歴磁性体 / 光物性 / 光誘起相転移 / フロケ理論 / 二重交換相互作用 / RKKY相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
光照射により誘起される磁性の高速ダイナミクスを理論的に明らかにすることを目的として研究を遂行した.強相関遍歴磁性体の理論模型の一つである二重交換模型を対象として解析を行い,以下の成果を得た. (1)二重交換模型の強磁性金属相に光照射を行うことで,スピン間に反強磁性的な相互作用が誘起されること,ならびにこれが光照射下特有の電子状態におけるストーナー励起過程によって理解できることを明らかにした.光照射下の強磁性金属状態に注目し,マグノンのフロケ・グリーン関数をフント結合に関する摂動展開に基づいて計算した.光強度の増大とともにマグノンの分散関係はソフト化し,ある閾値強度において反強磁性的な不安定性が誘起されることを見出した. (2)二重交換系における光誘起反強磁性転移の実時間ダイナミクスにおいて,従来の計算よりも大きなサイズのクラスターに関して詳細な解析を行い,反強磁性状態が実現する前の過渡状態において有限のスカラー・ベクトルカイラリティを持つスピン構造が現れることを示した.この構造は有限のトポロジカル指数で特徴付けられ,初期状態に導入したランダムネスに大きく依存すること,ならびにクラスターサイズの増大とともに(準)安定化する傾向が見出された. (3)フント結合に関する弱結合領域からのアプローチとして常磁性金属状態を考え,フロケ・グリーン関数法を用いて光照射下の定常状態におけるスピン感受率の解析を行った.非平衡定常状態における感受率の表式を導出し,これを元に光振幅に関する最低次の補正項の解析的表式を得た.また,二次元正方格子ならびに一次元格子に関して具体的に感受率の数値計算を行った.解析の結果,光振動数がバンド幅と同程度以下の場合には複数のフロケバンドにフェルミ面が現れ,感受率にはフェルミ面間のネスティングベクトルに対応する波数に新たなピーク構造が現れること等が明らかになった.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)