Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2019: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
以下に, 学術雑誌に掲載された論文2報とプレプリント1報について, それらの概要を報告する. 1つ目の研究論文では, 整閉多項式の理論を応用して, 単項式型の導分の核を2変数の場合で決定した. 導分の核に関する研究は, ヒルベルトの第14問題や不変式論とも関連するものである. 局所冪零と呼ばれる導分に対しては, その核の計算アルゴリズムが複数知られている. 局所冪零とは限らない場合でも有効な計算方法を与えた. 2つ目の研究論文は, 多項式環のレトラクトの分類問題に関するものである. 当論文では未解決であった3次元の場合にレトラクトの分類問題を解決した. この結果は, 1979年の藤田隆夫氏, 1980年の宮西正宜氏-杉江徹氏らのアフィン平面の特徴づけに関する研究を応用して得たものである. 次に, プレプリント論文 (arXiv:1910.03494) について報告する. 本報告はGene Freudenburg氏 (西ミシガン大学) と小島秀雄氏 (新潟大学) との共同研究である. 我々は次の3条件①, ②, ③をみたす非特異代数曲面の同型類が, 少なくとも可算無限個であることを示した. ①対数的小平次元が0, ②座標環が一意分解整域, ③座標環の単元群が自明群. この結果は, 1988年のR. V. Gurjar氏と宮西正宜氏による分類の一部が不足していたことを示すものである. 証明に用いた手法は主に2つで, 1つは座標環上に定まる次数構造を用いたものである. 特に我々は次数構造に付随した新しい不変量を構成した. この不変量の応用として, 代数多様体の消去性を示すことができる. もう1つの手法は, 代数多様体のファーブレーションの構造に着目したものである. それぞれの代数曲面がもつ, 特徴的なファイブレーションを詳細に調べ, 比較することで同型類が異なることを示した.
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