マイクロカンチレバーを用いた微量生体金属タンパク質のテラヘルツESR分光
Project/Area Number |
18J11268
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡本 翔 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 電子スピン共鳴 / 金属タンパク質 / 強磁場 / テラヘルツ / 力検出 / 多周波数 / メンブレン / 微量計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロリットルオーダーの微量な金属タンパク質試料に対するテラヘルツ電子スピン共鳴(ESR)分光法の開発を行った。 新たに専用のプローブホルダー、電磁波導波管等の設計および製作を行い、装置系を構築した。ESR信号を力で検出するためのプローブとしてカンチレバーを採用した。また磁場発生機構として最大磁場15Tの超伝導磁石、テラヘルツ光源として後進行波管を採用した。測定感度評価を実施した所、10Tを超える強磁場領域では測定不能となる結果が得られた。そこで、カンチレバーの代わりに、メンブレンと呼ばれるトランポリン型の力検出デバイスを新たに採用した。そして力検出デバイスの変更に伴い以下のような装置の設計変更を加えた。まず電磁界解析シミュレータを用いて最適な形状を計算した上で溶液試料用のセルを設計および自作した。また最適な磁場勾配発生用磁気チップの選定および磁気チップと溶液セルの距離を計算し、プローブホルダー全体の再設計および製作を行った。改良された装置の評価として、DPPH粉末試料に対してESR測定を実施した。その結果、10Tを超える領域における信号雑音比はカンチレバーを使用した場合と比べて100倍以上向上した。測定感度は10^12spins/Gaussという高い感度が得られた。 開発した装置を実際の二種類の溶液試料へと応用した。一つ目はヘムタンパク質のモデル物質であるヘミンクロライドの溶液(50mM、2マイクロリットル)に適用し、約0.4THzまでの多周波数においてESR信号を観測することに成功した。二つ目は実際のヘムタンパク質であるアコメトミオグロビンの溶液(8.8mM、10マイクロリットル)に適用し、同様にテラヘルツ領域においてESR信号を観測することに成功した。さらに本装置の動作信頼性を検証するため、ESRシミュレーションとの比較を行い、良い一致を得ることができた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)