Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
GaNのパワー半導体デバイス応用に際して貫通転位の影響調査が必須である。本研究は転位に関してほぼ調査されていないpnダイオードに着目し、高電界印加時にリーク電流を発生させる貫通転位の特定と、特定の転位をリーク源とする要因に関して調査を行った。前年度までにエミッション顕微鏡、エッチピット法、STEM観察を組み合わせることでリークを引き起こす貫通転位種を螺旋転位と特定したが、その後の成長条件依存性の調査からナノパイプもリーク源となることが明らかとなった。しかしながら、全ての螺旋転位、ナノパイプがリークを発生するわけではなく、リークしない螺旋転位、ナノパイプが存在することが同時に示された。何がリークを決定させる要因なのかが分かれば、転位でのリークを根本から解消することも可能と考えられる。本研究では、まず転位と転位周りの不純物に着目し3次元アトムプローブ(3DAP)にて調査を行った。エッチピット法では転位種を反映してその形状が変化するため、転位種を形状で分類できる。現時点で螺旋転位と判定されているエッチピット形状のうち、リークに寄与するものと寄与しないものの2つを選定し、n型ドリフト層内における転位周りの不純物を3DAPにて分析した。リークへの寄与に関わらずMgが転位に沿って上部のp層から拡散している様子が観察された。それ以外の不純物(O、C)は検出下限以下であった。ゆえに、リークと転位周りの不純物に相関はなく、リークを決定する要因が不純物でないことが示された。本成果はp層からのMg拡散とリークとの関係を否定するものであり、pn接合を有するデバイスに有用な知見と言える。不純物以外に転位をリーク源とする要因としては、転位の持つバーガースベクトル、転位のコア構造、転位周りの点欠陥または転位の伝搬角度の差等が候補として考えられ、ナノパイプ含め引き続き調査が必要である。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
All 2019 2018
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 1 results) Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results)
Japanese Journal of Applied Physics
Volume: 印刷中
Applied Physics Letters
Volume: 112 Issue: 18 Pages: 182106-182106
10.1063/1.5024704