ディラック・磁性ワイル半金属薄膜における量子輸送現象の探索
Project/Area Number |
18J13331
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics II
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西早 辰一 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | トポロジカル物質 / ディラック半金属 / 薄膜 / 量子ホール効果 / 電界効果 / 表面状態 / ヘテロ界面 / ワイル半金属 / トポロジカル相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
3次元的なバンド縮退点(ワイル点)を形成するトポロジカル半金属相では、質量ゼロのワイル粒子が持つカイラリティに依存した特異な量子輸送現象を実現することが期待されている。本研究では、トポロジカル半金属の中でも空間反転対称性・時間反転対称性を保つディラック半金属の代表物質であるCd3As2の高品質薄膜試料を作製し、薄膜試料の特徴である次元性・キャリア濃度・界面の自由度を制御することで、量子輸送現象の解明と開拓を行うことを目的とした。 パルスレーザー堆積法と高温アニールを組み合わせた成膜手法によって、高品質な薄膜試料を実現したことで、トポロジカル相の特徴でもある表面状態による伝導を観測し、さらにその表面伝導が高磁場・低キャリア濃度領域で量子ホール効果を示すことを明らかにした。特に、薄膜試料の表裏にゲート構造を作製し、それぞれの表面状態を電界効果で独立に制御することで、ディラック半金属における表面量子ホール状態が、従来のトポロジカル絶縁体で報告されている試料表裏の独立した2つの表面状態ではなく、ワイル点を介して表裏の表面状態とバルク状態が一体となった、トポロジカル半金属に特徴的な周回軌道の形成によって理解できることを示した。 また、Cd3As2薄膜と磁性体とのヘテロ界面の作製を行い、界面での磁気近接効果の導入を試みた。磁性ガーネット基板や様々な磁性ペロブスカイト型酸化物薄膜上にも、明瞭な量子振動や表面伝導が観測可能な高品質なCd3As2を作製することを成功し、特にガーネット基板上で磁気近接効果に由来する異常ホール効果の観測に成功した。 本研究で得られた結果は、ワイル点の非自明な電気伝導現象を開拓するものであり、今後トポロジカル半金属が持つ電子材料としての機能性の開拓を加速的に進展させるものと期待できる。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)