肥満に伴う炎症性肝疾患に対する没食子酸の新規改善メカニズムの解明
Project/Area Number |
18J13346
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Eating habits
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
田中 未央里 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 没食子酸 / ポリフェノール / NASH / 慢性炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、脂質蓄積した肝臓における慢性炎症状態は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)をはじめとする炎症性肝疾患の発症に関与すると考えられている。本研究では、日本人の摂取量が多いポリフェノールである没食子酸が、肥満に伴う肝臓の慢性炎症に及ぼす影響とその詳細な分子メカニズムを解明することを目的とした。本年度は培養細胞を用いた実験を行い、以下の成果を得た。 1. 肝臓の慢性炎症の成因である肝細胞の脂質蓄積に対する没食子酸の影響を検討した。パルミチン酸で刺激したHepG2に没食子酸を作用させた結果、脂質蓄積量が減少し、脂肪酸取込及び合成に関与するCD36、FATP2、ACCαの発現が減少することを確認した。そのメカニズムとして、脂質代謝の重要な転写因子であるSREBP-1c、LXRαの発現を没食子酸が抑制する可能性を見出した。またHepG2をパルミチン酸及び過酸化水素で刺激し、肝細胞のアポトーシスに対する影響を検討した結果、没食子酸による細胞生存率の回復、Bax/Bcl-2発現比及び転写因子ATF3の発現抑制を確認した。さらに没食子酸はMAPK/NF-κB経路を介して、慢性炎症進展に重要な役割を果たすマクロファージの炎症を抑制することを明らかにした。 2. 生体内における肝臓の慢性炎症再現モデルとして、肝細胞とマクロファージの共培養系の確立を試みた。肝細胞に脂肪酸を負荷して脂質蓄積させた後、マクロファージを播種することで共培養を行った。その結果、共培養によって炎症関連遺伝子の発現が増加すること、脂質蓄積によってより強い炎症が惹起されることを明らかにした。また没食子酸はこの共培養系において炎症及び酸化ストレスを抑制した。 本研究により、没食子酸は肝細胞の脂質蓄積及びアポトーシス、肝細胞とマクロファージの相互作用による炎症反応を抑制することで、肝臓における慢性炎症を改善する可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)