Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究は、フォトンカウンティングCTへ応用を目指した、高感度光センサSilicon Photomultiplier(SiPM)の開発及びパルス計数型の高速信号処理回路の三次元集積化を目的としたものである。必要となる計数率特性がピクセルサイズの微細化とともに向上する点を踏まえ、半導体集積回路製造技術の一つであるSilicon on Insulator (SOI)プロセスの利用によってSiPMと処理回路を三次元的に集積させた新たなフォトンカウンティングCT用デバイスの開発に挑戦した。半導体プロセス・デバイスシミュレータである Technology Computer Aided Design (TCAD) を用いた検討の後、実際に 250 μm 角の SiPM を SOI プロセスで試作し、一般的なSiPMの動作性能である100000程度の増幅ゲイン、及び高速性として十分な 16 ns 程度の信号回復時間と300 ps 以下の時間分解能をもって単一光子弁別が可能であるSiPMの開発に成功した。そこでSOIプロセスの利点である高速性を活かした計数型回路を設計し、SiPM上に集積させた4.45 mm角のプロトタイプチップを試作し、短パルスレーザー光を用いた照射試験により250 μm 角のピクセルあたり 500 ns 以下の不感時間特性のもとに計数可能であることを確認した。これはフォトンカウンティングCTへの応用で要求される入射 X 線強度 3 M cps/mm^2 程度を数え落とし10 %以下で十分検出可能な高速性である。以上より本研究はSOI技術を用いたSiPMと回路の三次元集積の有用性を示すものであり、フォトンカウンティングCT のみならず様々な応用が期待される成果である。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
All 2019
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Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment
Volume: 924 Pages: 436-440
10.1016/j.nima.2018.07.074