Project/Area Number |
18J15045
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大谷 毅 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2019: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 有機分子触媒 / 光触媒反応 / ラジカル反応 / ホウ素 |
Outline of Annual Research Achievements |
光駆動型の一電子酸化還元反応に有効な触媒分子を提案することは、現代の有機化学における知見を駆使しても容易ではない。しかし、これまで達成困難であった結合形成や活性化段階を含む光有機触媒反応を迅速かつ精密に構築する方法を開発できれば、医薬品や機能性材料に含まれる分子の開拓研究の進展を飛躍的に加速できる。そこで本研究では、物理化学的な切り口から基質の酸化還元電位・励起エネルギーを数値化し、その上で、必要な性能を備えた光増感剤を設計する戦略を提案する。本年度の研究では、反応例が著しく少ないために反応活性種の挙動等が予測し難いと想定された、「ホウ素上の空軌道に対する一電子移動」を発端とする新規反応開発に取り組んだ。 具体的には、1,1-ジヨードボリルメタンの一電子還元により生じるα-ボリル炭素ラジカルを活性種として取り上げ、ラジカル受容体としてα-MIDAボロネートスチレン誘導体を選択し、反応中間体として二種類のα-ボリル炭素ラジカルを経由する反応を立案した。研究の初期検討としてまず、二種類の中間体に関してDFT計算により分子軌道を可視化しNBO計算により安定化の寄与を数値化するとともに、電気化学測定による1,1-ジヨードボリルメタンの還元電位の測定を行った。その結果、ふたつの異なる混成軌道を持つホウ素原子が共に隣接する炭素ラジカルに対して軌道的な相互作用による安定化をもたらしていることを明らかにした。次に、適切な酸化/還元電位を有する光触媒として有機EL素子に利用されている4CzIPNを採用して反応を行ったところ、予想通り目的生成物が良好な収率とジアステレオ選択性で得られた。これにより、合成化学的な利用例が限られていたα-ボリル炭素ラジカルが本質的に有している求核的・求電子的な二面性を、ホウ素の混成軌道の違いによる電子状態の変化を巧みに利用することで引き出すことに成功した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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