Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
C型レクチン受容体群は、結核菌を認識することが報告されている。とりわけ、結核菌の脂質成分の認識ならびに惹起される免疫応答は詳細に解析されている一方で、親水性成分に対する受容体に関しては不明な点が多く残されていた。本研究では、結核菌親水性成分を含む熱水抽出物に反応するMBCLを同定した。陰イオン交換カラムクロマトグラフィーやゲル濾過カラムクロマトグラフィーを用いて、リガンドの精製を試み、活性成分を分画した。NMRによるリガンドの構造解析を行っている。加えて、CRISPR-Cas9システムで作製したMBCL欠損マウス由来の肺胞マクロファージや骨髄由来樹状細胞を用いて、結核菌に対する応答を調べると、炎症性サイトカイン・ケモカインの産生が減弱することが明らかになった。結核菌感染時におけるMBCLの機能を調べるために、MBCL欠損マウスと野生型マウスに結核菌に感染させ、生存率を調べると欠損マウスで改善した。肺の病理像を比較すると、MBCL欠損マウスでは菌量が減少し、炎症反応が減弱していた。また、特定のミエロイド細胞の肺への浸潤が低下していることや肺のRNAシークエンスによって免疫応答活性化関連遺伝子の発現が減弱していることが明らかになった。これらの結果から、MBCLによる結核菌の親水性成分の認識が惹起する炎症応答は、結核菌の病態増悪に寄与していることが示唆され、MBCLが結核における病原因子になっている可能性が考えられた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Org. Biomol. Chem.
Volume: - Issue: 19 Pages: 3659-3663
10.1039/c9ob02724f