Project/Area Number |
18J20628
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied health science (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 優哉 九州大学, 薬学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2020: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2019: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 体内時計 / 慢性腎臓病 / マイクロ電流 |
Outline of Annual Research Achievements |
①CKD時における心臓病態悪化メカニズムの解明 慢性腎臓病(CKD)は「新たな国民病」として深刻な社会問題となっている。CKD患者の死因の殆どは心疾患であるが、この原因については十分な解明がなされておらず、効果的な治療法があるとも言い難いのが現状である。そこで本研究ではCKDモデルマウスを対象に、心臓病態悪化メカニズムの解明を目的として検討を行った。その結果、脾臓に貯蔵される単球が心臓の線維化を促進することを明らかにし、更に単球中の病態促進因子として受容体CSAR(仮称)を同定した。また、この受容体活性を阻害する化合物を生薬エキスライブラリ(8008種)からハイスループットスクリーニング法を用いて探索し、CSAR特異的に下流シグナルを抑制するエキスを同定した。このエキスをCKDモデルマウスに経口投与し、心線維化抑制効果があることを確認した。 ②微弱電流刺激を用いた体内時計機構調整法の開発 社会の多様化や高齢化に伴い、うつ・認知機能障害・生活習慣病等の様々な疾患が蔓延し、深刻な社会問題となっている。近年、この問題の大きな原因が体内時計機構の乱れであることが報告され、注目を浴びている。本研究では簡便な体内時計調節法の開発を目指し、検討を行った。その結果、医療機器を用いた短時間かつ極めて低刺激な微弱電流(微弱電流刺激)を応用することでマウス肝臓におけるPERIOD1という遺伝子の発現を制御できることを明らかにした。このPERIOD1は体内時計を制御する遺伝子群(時計遺伝子)の1つであり、外部の明暗環境と体内時計を同期はこのPERIOD1を介して引き起こされる。そこで時計遺伝子改変マウス(Clk/Clk)を対象に恒暗条件下における行動周期(体内時計の周期)を解析したところ、未刺激群で認められる周期の崩壊が微弱電流刺激群では認められないことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に提出した研究計画通りの成果が出ており、一部は既に国際ジャーナルに投稿した。[Naoya Matsunaga, Yuya Yoshida, Naoki Kitajou et al., Microcurrent stimulation activates the circadian machinery in mice, Biochemical and Biophysical Research Communications, 2019] また、本研究を基盤に新たな医療機器開発も行っており、更なる飛躍が期待されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の①におけるCKD時のCSAR発現上昇は、時計遺伝子の発現リズム変容を介して引き起こされることを特別研究員採択以前の研究で明らかにしている。また心疾患以外の合併症にも時計遺伝子が関与していることを共同研究者として報告している[Hamamura, Yoshida. et al.,J. Bio. Chem. 2016, Matsunaga, Yoshida. et al.,EBioMed. 2016]。今後は②における体内時計機構調節法をCKDモデルマウスに適用し、CKD病態の包括的な治療に応用できないか、を検討する予定である。
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