クロロフィルのMgを脱離する酵素SGRの触媒機構と生理的役割の解明
Project/Area Number |
18J20898
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Plant molecular biology/Plant physiology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小畑 大地 北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2020: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2019: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | STAY-GREEN / クロロフィル分解 / 触媒機構 / アミノ酸置換 / 酵素 / 代謝系 / 進化 / 結晶構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はクロロフィル分解系の最初の反応を触媒するクロロフィル:Mg脱離酵素SGRの触媒機構の解明に引き続き取り組んだ。SGRのMg脱離反応(有機分子から金属原子を脱離する反応)はほとんど報告がない珍しい反応であるため、その触媒機構を解明することはタンパク質科学・酵素科学的に重要な知見となる。 本研究では、アミノ酸置換体の作成により触媒機構の提案を目指した。クロロフィルからのMg脱離は酸性条件下で進行するため、SGRの触媒には酸性アミノ酸残基によるH+供与が関与すると仮説を立て、候補残基の置換体を作成した。しかし、SGRの発現量が少ないために、置換体の活性が得られず、機能の特定ができずにいた。この問題は大腸菌タンパク質発現系の改良により、従来の1000倍量のSGRを合成する系を開発したことで解決された。これにより、これまで活性を検出できなかった置換体についても置換の影響を評価できるようになった。その結果、SGRのMg脱離反応に関与する酸性アミノ酸残基を3つまで絞り込めた。 さらに、大量発現に加えてSGRの高純度な精製法を確立したことで、基質のクロロフィルとSGRの結合を分光学的に解析できるようになった。現在、3つの残基それぞれの置換が基質との結合にどのように影響を及ぼすか測定し、活性部位の同定と触媒を担う酸性アミノ酸残基の特定を行っている。 また、高純度かつ大量のSGRが調製可能になったため、SGRの持つSTAY-GREENドメインのX線結晶構造解析も視野に入ってきた。このドメインは既知のタンパク質構造のいずれとも似ていない新規の構造である。STAY-GREENドメインの構造決定はタンパク質科学として大きな意義があるとともに、そのドメインが触媒するMg脱離反応についてもより詳細なメカニズム解明の可能性を秘めている。今ではSGRの結晶が得られており、結晶の品質を改善中である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)