分子動力学計算に基づくペロブスカイト太陽電池における有機カチオンの機能の解明
Project/Area Number |
18J21325
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
浦谷 浩輝 早稲田大学, 先進理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2020: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2019: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 非断熱 / 分子動力学 / ペロブスカイト太陽電池 / DFTB / ポーラロン / 分割統治法 / 密度汎関数強束縛法 / 分子動力学法 |
Outline of Annual Research Achievements |
光励起状態にある物質のダイナミクスは、太陽電池等の応用的観点から重要であるとともに、基礎科学的にも興味深いテーマを多数含んでいる。本研究では、ペロブスカイト太陽電池材料として知られる鉛ハライドペロブスカイトにおける光励起状態ダイナミクスを理解することを念頭に、効率的な非断熱分子動力学計算手法の開発とその応用を行ってきた。 本年度は、開発してきた手法をもとに、より広範な系・現象を扱えるよう拡張した。前年度までに、効率的な量子化学計算手法である時間依存(TD)密度汎関数強束縛(DFTB)法と、系を小さく分割して解くことで大規模系を扱う分割統治(DC)法を基本に、非断熱分子動力学手法の一種であるsurface hopping法を実装した。しかし、TD-DFTB法の制約により、励起状態から基底状態への無輻射失活過程については扱うことができなかった。 本年度は、基底状態と励起状態の間のポテンシャル交差を簡便にかつ良好な精度で記述するspin flip理論を上記手法に導入することにより、無輻射失活過程を記述可能な大規模非断熱分子動力学シミュレーション手法を開発した。また、開発した手法をアゾベンゼンの光異性化反応に応用し、異性化量子収率や反応の時間スケールについて、より高コストな量子化学計算と同程度の精度を与えることを確認した。溶液系に対する検証も行い、溶媒依存性についても定性的に妥当な結果を得た。さらに、テトラフェニルエチレン(TPE)とその一部をOで架橋した誘導体(2OTPE)に対する応用も行った。実験的に、TPEは溶液中で速やかに無輻射失活するためほとんど蛍光を示さないが、2OTPEは強い蛍光を示すことが知られる。本シミュレーションにより、TPEの無輻射失活メカニズムを解明するとともに、2OTPEでこれが抑制される理由を明らかにした。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)