刹那滅・同一性・再認をめぐる中世インドの哲学対話の解明
Project/Area Number |
18K00055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01020:Chinese philosophy, Indian philosophy and Buddhist philosophy-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
志田 泰盛 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60587591)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 音源定位 / 聴覚内送説 / 音声実体説 / 音声の永遠性 / プラカラナパンチカー / 眼光線 / 刹那滅論批判 / 刹那滅 / 空華 / 非実在 / 再認 / 直観 / 永遠性 / 同一性 / 音声 |
Outline of Annual Research Achievements |
感染症問題の影響で2年順延されていた第18回国際サンスクリット学会(当初開催予定地: オーストラリア)は、結局、全面的なオンライン開催となり、2023年1月にオンラインにて参加・発表した。 また、第73回日本印度学仏教学会学術大会(オンライン、2022年9月)において、「聴覚内送説における音源定位問題」と題した研究発表をし、その内容は『印度学仏教学研究』第71巻に投稿し、同巻第1号(2022年12月刊行)に掲載された。 いずれも、古典インド聖典解釈学派における、音声の本性をめぐる哲学対話を分析した研究成果であり、関連する各文献ごとに、利用可能な一次資料の全数調査に基づくものであり、相当数の写本資料の解読に基礎付けた文献実証的研究である。 今年度に発表したテーマは、いずれも古典インドの聖典解釈学派の音声論題の中から〈聴覚内送説〉と〈音声実体説〉に焦点を当てたものであるが、特に『詩節評釈』「音声論題」第163-201詩節において、前者の聴覚内送理論が〈鏡像の視覚理論〉とも関連する点も確認されたため、鏡像認識も含めて視聴覚理論全体を射程に収めた研究への展開の可能性も見込まれる。 上記で投稿・刊行された学術雑誌には紙幅の都合で掲載できなかった研究成果として、日本印度学仏教学会での発表時の配布資料は、Academia.edu において公開している。その資料中には、『詩節評釈』該当箇所で利用可能だった全一次資料に基づく批判校訂テキストと翻訳、また、重要な読みを保持しながら貝葉の総数と番号付に問題のあるアディアル図書館所蔵のマラヤラム文字写本の欠落貝葉に関する情報を報告している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
写本の蒐集・解読・校合・校訂といった基礎研究には、難読箇所などのボトルネックが頻発するが、前年度までの着実な校合作業により、研究成果の発表につながった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果発表により、聖典解釈学派の音声永遠説を主題とした本研究課題は一定の成果に至ったと考えられるが、研究を進める中で、〈聴覚による音源定位〉の問題が〈鏡像の視覚理論〉という問題とも関連していることが予想され、さらに議論が複雑な〈鏡像の視覚〉は、伝承過程における錯綜があった形跡も確認された。 一方では、2年順延された国際学会、そして、当初対面を予定していた国内学会が、いずれも急遽オンラインでの開催になった影響もあり、旅費が発生せず、研究費に若干の余裕も生まれた。 以上の理由から、研究期間を1年延長し、古典インドの各学統における視聴覚をめぐる各理論の関係とその整合性を主題とした研究の予備調査、および、本格的な共同研究の組織化などを試みる。
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Report
(5 results)
Research Products
(10 results)