Project/Area Number |
18K00077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01030:Religious studies-related
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Research Institution | Seisen University. (2019-2022) Nanzan University (2018) |
Principal Investigator |
鶴岡 賀雄 清泉女子大学, 文学部, 非常勤講師 (60180056)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 神秘主義 / スペイン / キリスト教 / 影響史 / 十字架のヨハネ / ルイス・デ・レオン / ライモン・パニカー / スペイン神秘主義 / 影響作用史 / 詩的言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度も、新型コロナヴィールス蔓延が終熄せず、延期してきたスペインでの調査、および研究交流をさらに延期することとなった。しかし、国内で遂行可能な研究自体は着実に進展し、複数の学術論文を刊行することができた。(1)禅仏教との比較宗教思想的観点からの十字架のヨハネ研究、(2)イスラーム神秘思想との対比の観点からする十字架のヨハネ研究、(3)現代的フェミニズムの視点からするルイス・デ・レオン研究、の三編である。 (1)は、十字架のヨハネの神秘思想と詩作の関係を、上田閑照の禅における言葉のあり方をめぐる論を参照項として解明したもので、それによって西欧キリスト教と仏教ないし禅思想の構造的類似とともに本質的な相違点を浮かび出させている。(2)は、十字架のヨハネの神秘思想の極限的表現と、イスラームのスーフィズムにおける「酔語」との、言語態としての近さに着目して、前者の具体例に即してそうした特異な言語表現に内包されている思惟の動態を解明したものであり、キリスト教とイスラームの比較宗教思想的研究にも寄与するものとなっている。(3)は、別の科学研究費による共同研究の成果ではあるが、本研究とも実質的に関連が深い。ルイス・デ・レオンの作品中から、さまざまな「女性」観を抽出し、現代のフェミニズムないしクィア神学の問題意識に呼応した、キリスト教的女性観ないし人間観をそこに読み取っている。いずれも、十六世紀スペインの神秘思想を、現代的問題関心ないし研究視点に立って読解し、それによって逆に、現代の思想状況の前提自体をあらためて問いなおすことが目指されている。 なお、十字架のヨハネを中心としたスペイン神秘主義の作用影響史的研究は、基本的作業をおおむね終了した。その成果の一端を、キリスト教系の季刊雑誌に、一般向けのかたちで連載することになり、年度末に第一回分を掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナヴィールス蔓延にともなう海外出張の延期、また、実母、義父母の介護があって、十分には研究は進展しなかった。実母が2023年2月に逝去し、それまでの数ヶ月は介護にかなりの時間がとられた。 しかし、国内で遂行可能な研究事業についてはおおむね終了し、今後の研究計画についてもほぼ見通しが立っている。今後は遅滞なく所期の目的を達成したい。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナヴィールス蔓延による海外渡航の制限は解消したので、本年度は、予定を若干変更しつつ実施したい。秋以降を予定している。 研究成果の公表準備は着実に進んでおり、本研究の枠内での論文2編、本研究の成果を大きく組み込んだ著書一冊の執筆を予定している。 また、本研究の成果を反映した連載記事を、キリスト教系の季刊雑誌に連載する。
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Report
(5 results)
Research Products
(17 results)