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Accidental Sense of the Local in the 21st Century American Fiction

Research Project

Project/Area Number 18K00437
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

藤井 光  同志社大学, 文学部, 教授 (20546668)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2018)
Budget Amount *help
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2018: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Keywords現代アメリカ文学 / グローバル化と小説 / 土着性 / 翻訳 / 共感 / アメリカ文学 / 現代小説 / 新自由主義 / 翻訳文学
Outline of Annual Research Achievements

本研究の骨組みは、21世紀のアメリカ小説において進行するグローバル化のなかで、「土着性」がどのように表象されているのかを考察することである。その課題を探求するにあたって、当該年度は「共感」をめぐるアメリカ文学の動向を考察の対象とした。フィクションのもたらす効果としてしばしば取り上げられる「共感」が、国民国家という形で担保されるのか、それとも国籍を超えた他者との連帯を重視する方向に定められるのか、という点が、グローバル化と土着性をめぐる議論に浮上してきているからである。
上記の視点から、2018年度は以下の研究活動を行なった。
1)21世紀の小説における「共感」と「観光」の接点についての学会報告(日本アメリカ文学会全国大会シンポジア)。報告内容は論文化を終えており、2019年度に『北海道アメリカ文学』より刊行される予定である。
2) 土着性とグローバル化の接点について、「空」をキーワードとする論文執筆。すでに論文は提出済みであり、共著書として『空のアメリカ文学』(仮題)に収録される予定である。
3)移民・難民を主題とする小説の翻訳。2018年度にはハンガリー系の作家レベッカ・マカーイの『戦時の音楽』、ブルガリア出身のミロスラフ・ペンコフ『西欧の東』の二作を刊行したほか、文芸誌『すばる』に日本出身のユウコ・サカタ作の短編『こちら側で』、『新潮』にアメリカ作家ジェン・シルヴァーマンの「白人たち」の翻訳を掲載した。2019年度にはモーシン・ハミッド(パキスタン出身)の刊行を予定している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

「土着性」という問題を取り上げるにあたって「共感」というキー概念からのアプローチを設定し、フィクションによって発生する他者への共感という現象に「観光」との類似性を見出したことにより、物語を共有する「共同体」と現代作家たちの活動の関わりをより明確に考察することが可能となった。アンソニー・ドーアやジョージ・ソーンダーズといったアメリカ作家たちは、合衆国の「リベラル層」に近い価値観から、前者は国境を超えた共感を呼びかけ、後者は合衆国の国土に根ざしたナショナルな共同体の喪失を嘆く、という方向に向かう。それはグローバル化の表裏を比較的単純に映し出す鏡であるが、一方でハミッドやインド系のカニシュク・タルールといった移民作家たちは、移動する者たちが自己利益の最大化という新自由主義の論理を内面化していることを自覚的に描き出しており、みずからを取り巻く状況をより批評的に作品の構造に取り込むことに成功している。その「ずれ」をどのように批評の舞台に上げていくのか、が今後の課題として設定されるべきだろう。

Strategy for Future Research Activity

21世紀の小説において浮上する、「観光」や土着性との問いを、アメリカ作家にとどまらず検討していくことが必要になるだろうと思われる。より具体的には、アジアをはじめとする非英語圏あるいは半英語圏から登場する、英語で書かれた小説・文学作品を取り上げ、そこに現れる共同体意識を考察することが今後の課題となる。フィリピンやシンガポール、あるいはタイやベトナムといった各地から、あるいはその各地を背景として書かれた小説における「共感」や「共同体」の問題を取り上げ、海外の学会での口頭報告をもとに論文化を目指したい。

Report

(1 results)
  • 2018 Research-status Report

Research Products

(4 results)

All 2019 2018

All Journal Article Presentation Book

  • [Journal Article] 観光客と難民のあいだで:移動と共感をめぐる21世紀アメリカ小説2019

    • Author(s)
      藤井光
    • Journal Title

      北海道アメリカ文学

      Volume: 35号

    • Related Report
      2018 Research-status Report
  • [Presentation] 移動と共感のエコノミー:21世紀アメリカ小説とその外をめぐって2018

    • Author(s)
      藤井光
    • Organizer
      日本アメリカ文学会第57回全国大会シンポジア
    • Related Report
      2018 Research-status Report
  • [Book] 戦時の音楽2018

    • Author(s)
      レベッカ・マカーイ(藤井光訳)
    • Total Pages
      318
    • Publisher
      新潮社
    • ISBN
      9784105901486
    • Related Report
      2018 Research-status Report
  • [Book] 西欧の東2018

    • Author(s)
      ミロスラフ・ペンコフ(藤井光訳)
    • Total Pages
      306
    • Publisher
      白水社
    • ISBN
      9784560092712
    • Related Report
      2018 Research-status Report

URL: 

Published: 2018-04-23   Modified: 2019-12-27  

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