生成文法における局所性条件に関するパラメータの理論的および実証的研究
Project/Area Number |
18K00666
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02080:English linguistics-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
石井 透 明治大学, 文学部, 専任教授 (30193254)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | Minimalist Program / Locality Constraints / MERGE / 理論言語学 / 統語理論 / 局所性 / 生成文法 / パラメータ / 極小モデル / 長距離依存 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の極小モデルでは、言語の中心的な計算部門はすべての言語で同一でありMERGEという要素を組み合わせる操作のみから構成されていて、言語間差異を説 明するパラメータは計算部門から音声表示までの過程である外在化過程に限定されるという「外在化過程パラメータ」の考え方が仮定されている。しかし、これ まで提案された具体的な外在化過程パラメータ は、Berwick and Chomsky (2011)のwh移動と語順に関する示唆、Richards (2010; 2016)のwh移動・拡大投射原 理・主要部移動に関する分析など少数に限られて いる上、移動/内的併合などの長距離依存関係に対する「局所性条件」の言語間差異に関する提案は存在しな い。 昨年度は局所性条件の言語間差異について「外在化過程パラメータ」の立場から課題を抽出した。まず、「下接条件効果」に関しては、「空範疇原理効 果」などの計算部門に適用される局所性条件とはことなり、韻律構造に適用される局所性条件によるものであるという可能性を検討した。本研究では、韻律構造 は、統語構造とは独立しているが、写像によって結び付けら れているとする「韻律構造仮説」(Selkirk 1986; 1995, Nespor and Vogel 1986など)の立場、特に Kratzer and Selkirk (2007)などで提案されている、「位相」が韻律構造を決定するのに重要な役割を果たすという考え方を採用し、韻律構造による「下接条件 効果」の説明へと結び付けた。次に、言語間差異が存在 する「下接条件効果」などの局所性条件の局所領域の韻律構造には言語間差異が存在すると考え、「wh 島の制約」・「主語条件」などで見られる「下接条件効果」に関する言語間差異は、各々の言語の韻律構造の違いに起因ことを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来の予定では、カリフォルニア州立大学フレズノ校言語学科へ自ら赴き、共同研究を進めているAgbayani, Golston両教授の協力のもと、(カルフォルニアで は多数の被験者確保が可能な)英語母語話者とスペイン語母語話者を被験者として、音声実験室で音声分析ソフトを用いた検証実験を行うこととしていたが、過去二年間と同様に昨年度も、コ ロナウイルス感染症の影響で共同研究が進捗が予定通りには進まず、それに伴い音声分析が予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
言語間差異が存在する局所性条件の局所領域の韻律構造には言語間差異が存在するが、言語間差異が存在しない局所性条件の局所領域の韻律構造には言語間差異 が存在しないという方向を追求する予定である。「wh島の制約」・「主語条件」などで見られる「下接条件効果」に関する言語間差異は、各々の言語の韻律構造 の違いに起因ことが予想される。それを確かめるための実験が、過去三年間、コロナウイルス感染症の状況のため渡航が自由に行えずに進捗しなかった。その代わりに、国内で可能な代替実験やデータ収集は行ったが、まだ不十分な面が残っている。そこで、カリフォルニ ア州立大学フレズノ校にて音声分析を行うため、カリフォルニア州立大学フレズノ校言語学科へ自ら赴き、共同研究を進めているAgbayani, Golston両教授の協力の もと、(カルフォルニアでは多数の被験者確保が可能な)英語母語話者とスペイン語母語話者を被験者として、音声実験室で音声分析ソフトを用いた 検証実験を行う。
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Report
(5 results)
Research Products
(41 results)