Project/Area Number |
18K00710
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
齋藤 ひろみ 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (50334462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 麻里 京都教育大学, 教育学部, 教授 (80228543)
池上 摩希子 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (80409721)
石井 恵理子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (90212810)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 子どもの日本語教育 / 実践と研究の交流 / プラットフォーム / 実践の蓄積とリソース化 / 参加とことば / ワークショップ / オンラインの可能性 / 他団体との協働 / 外国人児童生徒 / 日本語教育 / 教材の開発と活用 / 実践探究の視点 / 高等学校における日本語指導体制 / 教師・支援者ネットワーク / オンライン研究会 / 多様な言語文化背景をもつ子ども / 実践と研究の相互作用 / トランスフォーメーショナルな場の構築 / 参加のためのことばの教育 / 実践の記述と分析 / 実践・研究のリソースサイト / 多様な言語文化背景を持つ子どもたち / 教育実践と研究の相互作用 / 日本語・母語・継承語教育 / 目標構造・内容構成 / 実践・研究のリソース化 / 子どもの日本語教育研究会 / 実践と研究の往還 / リソースwebサイト / 目標・内容の体系化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研の活動として子どもの日本語教育研究会を運営しているが、以下1)~4)の実践・研究の成果の交流、及び研究活動を行った。本研究では、実践と研究が交差し新たな意味や価値が創造され活動が展開するプラットフォームの構築を目的としているが、異なる立場・関心の者が集う場の提供という目的は達しつつある。今後は、それぞれの教育者、支援者としての学習サイクルがどのように交差しながら、学習のコミュニティを形成し得るのかを検討することが課題として残されている。 1)2022年7月31日に、ワークショップ「動画を使った外国人の子どもの学習支援―NHK for Schoolを活用して「ことば・教科」学習をデザインする-」をNHKエデュケーショナルとの合同で開催した。成果の一部はNHK for schoolのウェブサイトで紹介されている。 2)2023年3月11日に、子どもの日本語教育研究会第8回大会を開催した。公募した実践・研究の発表が22件、研究会企画のパネルディスカッション2件、本研究会の研究企画委員会による「ことばと思考」に関する検討結果の報告で構成した。その内容は、本研究会のウェブサイトで公開しており、実践・研究のリソースとしての活用が可能である。 3)実践の蓄積とその分析による教育・支援リソース化については、今年も継続的に実践を多角的に検討する研究会を重ねてきた。また、理論面では、内部メンバーの研究会に加え公開の読書会を開き「参加のためのことばの教育」について検討し、その結果を子どもの日本語教育研究会第8大会で報告し、ウェブサイト上で公開した。 4)2022年12月に、ウェブサイト上で、ジャーナル「子どもの日本語教育研究」第5号を発行した。本号には、地域・学校現場の実践報告4件(寄稿3件、投稿1件)を掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍にあり、実践に関する調査研究の実施が難しい状況で3年が経過した。オンラインでの実践の報告には限界があり、令和5年度は、直接実践の場に赴き、その実践のおかれている制度的・社会的・文化的文脈を探るとともに、実践の内実を見る/聞く機会を設ける予定である。現場で収集した情報をもとに、ことばの教育の実践における内容・構成に関する検討を進める。 また、2022年度にウェブサイトを改修する予定であったが、オンラインにおける情報の活用に関する利用者の認識、及び技術面の変化が大きく、それを十分把握した上で改修計画を立てたいと考えたが、それができなかった。そのため、改修自体を2023年に延期した。 オンラインであったことが功を奏した点として、令和4年度に、NHKエデュケーショナルとの共同によるワークショップを開催できたことが挙げられる。オンラインによる教育ニーズの高まりが、この活動の背後にある。NHKよりリソース活用の提案を受け、本研究組織でワークショップを企画し、参加者を募集・運営した。内容は、日本語指導及び教科学習支援における動画活用の可能性について、参加者が実践例や活用のアイディアを紹介し合う活動で構成した。アイディアの一部は、NHK for schoolのサイト(https://www.nhk.or.jp/school/cld-toolbox/)「多言語多文化の子どもたちとどう学ぶ?学習支援ツールボックス」で公開され、同様の実践的課題や関心をもつ教育者/支援者に広く提供することができた。今後とも、社会の変化に応じ、他団体と協働し、研究の実装化の新しい方向性を探っていくつもりである。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の3年間は、オンライで研究会を開催するなどの工夫をし、実践者と研究者が交流する場を提供してきた。参加者からは各地の実践や研究の動向を知る機会として高く評価されている。しかし、実践事例と研究知見、つまり道具の開陳が中心になっていることは否めない。今後は、参加者(主体)が成果を目指して、実践・研究を創造するために道具を作り変えられるかどうかにあると思われる。教材や方法論としての定型化した道具を与えられて手にするのではなく、本研究会の活動への参加を通して、直面する困難や内包する矛盾に気づき、その解決のために新しいコンセプトや実践形態を生み出せているのかということである。本研究では、その場として、どのような要素が必要であるかを、探るために研究を継続していく。 また、実践を集積し、その分析をもとに「子どもの日本語教育」の内容の全体像を構図化して描こうとしてきたが、その検討過程で要素化、形式化に陥る恐れがあった。そこで、改めて、実践を丁寧に解釈するという基本に立ち返ることや、そのプロセスを共有することに軸を移す必要があると考えている。さらに、理論面で検討してきた「参加とことば」概念を、実践と研究の方向性や方法論として示しつつ、それらの蓄積のための枠組みとしても機能させていきたいと考えている。
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